プロ18年目の林拓希がPO制し初V、急きょ応援駆けつけた家族の支え糧に「父の日V」九州OP
<九州オープンゴルフ>◇最終日◇16日◇大分市・大分カントリークラブ月形コース(7214ヤード、パー72)◇賞金総額1800万円(優勝300万円+協賛200万円)◇出場69人(アマ13人) プロ18年目の林拓希(37=フリー)が通算4アンダーで並んだ藤島晴雄(40=進電グループ)とのプレーオフ(PO)を制して初優勝を飾った。 最終日に急きょ応援に駆けつけた家族の支えを糧に「父の日V」。出場権を得た国内メジャーの日本オープン(10月10日開幕、東京ゴルフ倶楽部)で優勝を狙う。東海大九州3年の遠藤崇真(20=皐月)がPOを制して、初のベストアマに輝いた。 林が「父の日V」を飾った。通算4アンダーでPOに突入。18番パー5で行われ、1回目でバーディー、パーとして勝負を決めた。優勝後、見守った娘と歓喜の抱擁だ。仲間から水シャワーで祝福された初栄冠に「歴史ある九州オープンで勝ててうれしい」と笑った。 父母ら家族の支えを力に変えた。前半3アンダーで藤島と通算6アンダーの首位で折り返した。だが、14、15番の連続ボギーなどで伸ばせず「上に行くのは難しいかな」と諦めかけた。それでも、16番で、この日拠点の茨城から急きょ駆けつけた妻麗美さん(43)、長女希星さん(9)、次女美星さん(5)、生後9カ月の三女麗星さんを見つけてバーディー。「もう1回、こういう時に頑張ろうと思った。声援を聞くたび泣きそうだった」と土壇場で踏ん張り、17番でボギーをたたいた藤島と並んだ。 07年プロテスト合格以来、主戦場は九州サーキットや国内男子下部ツアー。だが、初の日本オープン出場権を得て「出るからには優勝目指して頑張りたい」。一時ゴルフ場の仕事優先で競技から離れたが3年前に復帰。「今はゴルフが楽しい」といい、3児の良き父親としても威厳を見せる。【菊川光一】 ◆林拓希(はやし・ひろき)1986年(昭61)10月24日生まれ。鹿児島・霧島市出身。ゴルフは国分中1年から始める。福岡・柳川高卒。07年プロテスト合格。得意クラブはパター、ウエッジ。ドライバー平均飛距離280ヤード。170センチ、90キロ。 2位の藤島(POに敗れて)「今週は調子が良くなかったが、それなりにやって、それなりにうまくいった。もうちょっと練習します」 ○…遠藤が日章学園中3年、長崎大星(14=宮崎国際)とのPOを制した。18番パー5で意地のバーディーを奪い、1オーバーで並んでPOに突入。1回目の10番パー4はともにボギーも、2回目のボギー、ダブルボギーで勝負を決めた。プロを含む4日間競技で堂々の8位タイ。今年の九州大学王者に次ぐタイトルを獲得して「ティーショットが安定して自信になりました」と声を弾ませた。