石川遼Vの陰で首位スタートの河野祐輝に起きた「計3罰打」の悲劇 1ホール「+5」を招いた誤球ミスの詳細とは?
「誤球のプレー」と「アンプレヤブル」の計3罰打で勝負あり
一つのプレー、一つの判断ミスが好ゲームを破綻に追いやる、というのが勝負事の非情さ。そんなことを改めて痛感させられたのが、先週の国内男子ツアー「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」での河野祐輝の15番ホール(パー4)でした。 【写真】石川遼も立ち合い! これが河野祐輝が「計3罰打」を食らった現場です
最終日、単独首位からスタートした河野は、スコアをなかなか伸ばせないながらも、15番ホールをトップタイ。この試合を制した石川遼とともに20アンダーで優勝争いの先頭に立っていました。 ところが、このホールで右ラフから2オンを狙った一打がグリーンを大きくオーバー。ボールはグリーン奥の深いブッシュの中に飛び込んでしまいます。打球はフライヤーになったようですが、それにしてもキャリーが大きすぎました。クラブ選択を間違ったのかも知れません。 ボールはロスト(紛失球)の恐れがあったので、河野は暫定球をプレーします。その一打はグリーン手前に止まりました。 ブッシュに飛び込んだ初球は幸いすぐに見つかります。そして、あるがままの状態でプレーすることを選択。暫定球を拾い上げます。 ところが、ブッシュの中から“ナイスアウト”したボールが「誤球」だったのです。河野はブッシュの中にあった破棄されたボール(ロストボール)を自分のものと誤認。誤ってストロークしてしまったのです。 そのため河野は「誤球のプレー」で2罰打(この時のストロークはカウントされません)。あらためて正球を捜して、プレー(第5打)しなければなりません。 正球はすぐに見つかりましたが、ボールが置かれた状況は「誤球」よりもずっと悪く、アンプレヤブル(1罰打)とするしかありませんでした。しかも、周囲は「後方線上」にも、「ラテラル救済」にも、適当な救済エリアがありません。河野は仕方なく第2打をプレーした地点まで戻り、元の箇所からの打ち直しの救済を選択します。第2打を放った箇所(分からない場合は、推定される箇所)を基点に、その基点からホールに近づかない1クラブレングスの救済エリアにドロップすることになります。 河野はその救済エリアから第6打をプレーしますが、無情にもボールはグリーン手前のバンカーへ。 結局、このホールを7オン2パットの9打(通算15アンダー)。プロのトーナメントでは珍しい「クウィンティープルボギー(quintuple bogey)でホールアウト。優勝争いから完全に脱落しました。 たった一打。ラフからグリーンを狙った第2打の選択ミス、判断ミスが河野の敗戦を決定づけたのでした。 しかし、その後、彼は17番、18番で連続バーディー。通算17アンダーとして、再度トップ10にカムバック。7月11日からの「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」の出場権をゲットしました。最後まで闘志を失わない姿勢は立派でした。