「最短20分」掲げる宅配サービスOniGOを使ったら4時間かかった…裏に隠された「意外な落とし穴」
「鬼速」謳う宅配サービスは本当に速いのか
「最短20分で商品を届ける」という触れ込みのネットスーパー、OniGO(オニゴー)。初めて使ってみたら4時間25分かかった。途中、何度も問い合わせたが、無責任な返答ばかりで、不満が残るひどいものだった。その一部始終を紹介する。 【写真】シェアサイクルは「LUUPが覇権を握っている」わけではない OniGoは東京都内を中心に宅配サービスを提供している。ワイドショーなどでは過剰に「鬼速」と連呼して宣伝されている。 しかし、一記者としての筆者のレビューとしては、クレジットカードの登録すらも不安になるようなひどい体験だった。 実際に数十分で届いたという声もSNSで見られることから、「最短20分」がウソではないことは分かるが、その反面、「実際には1時間以上かかった」「長々待った後、一方的にキャンセルされた」などの声も多数見られる。その振り幅の大きさは、OniGOのシステムにあるように思える。 筆者が手にした広告には「OniGO×イトーヨーカドー 最短20分で当日お届け!! 鬼速ネットスーパー」とあった。漫画形式で40分以内に届いた例が描かれており、客が「鬼速配達オニゴーって最高~!こんな便利なのは今までなかった!」と涙を流して喜んでいるイラストが掲載されていた。 広告に記載されているQRコードをスマートフォンに読ますとウェブに繋がって注文できる仕組みになっていた。そこで実際に注文してみることにした。
注文して1時間後に届いた不可解なメール
注文したのは10時30分ごろ、昼食用の食材やペットフードなどを注文。到着時間は「11:16~12:06」と表示された。広告とは違って早くても46分、遅いと1時間36分かかるわけだ。 注文から30分ぐらい経過し画面を見たら「Uber配達パートナーが商品をお届けに向かっています」と出た。 広告にはUberによる配達との説明はなかったが、ここで判明したのはネットスーパーが直接配達員を雇って商品を届けるのではなく、第3者のUberを利用しているということ。つまり、OniGOは取次にすぎないということだ。 注文から約1時間が経過した11時27分、「お届けに向かっています。配達パートナーの(配達員名)さんはあと14分で到着する予定です。配達パートナーにお問い合わせするには、(電話番号)にご連絡ください」というメッセージが届き、同40分には「ご注文の品がまもなく到着します. 玄関先で(配達員名)の到着をお待ちください」と出た。 いよいよ到着かと思い、玄関で待ったが誰も来ないまま。 すると11時47分、今度は「配達がまもなくキャンセルされる可能性があります」と意味不明なメッセージが届いた。 この文面では何が起こっているのか分からず、広告記載のカスタマーセンターに電話をした。しかし、電話に出た女性は「担当者不在です」の一点張り。文面の意味や状況を聞いても答えてもらうことはできなかった。 納得がいかないまま電話をきると、あるメッセージが届いていた。前回の不可解内容から6分後の着信で「配達担当者が配達を完了できませんでした。ご不明な点がありましたら、Uberダイレクト様までご連絡ください」とあった。 Uberに問い合わせろと言われても、電話番号も担当部署も分からない。困って再びOniGOに問い合わせると「配達員と連絡が取れなくなってしまったので、再配達の手配をしています」との回答だった。電話しなければ再配達することなど知らなかったのだからこれまた混乱した。 さらに、その後はいくら待っても画面上に変化はなく、1時間以上が経過。ウェブ上のチャットに問い合わせると、「現在配達員のマッチング中の上でございますので、お待ちいただけますでしょうか」との返答。 つまりは、配達員を確保できていないということだ。あくまでUber頼みだから、Uberの配達員が見つからなければ何も動かせないのだろう。 以後、電話やチャットを繰り返したが、毎度「マッチング中でございます」と言うばかり。やたらと「マッチング」という言葉を使っていたが、客の立場からすれば単にネットスーパーでモノを頼んだだけであり、配達員が何時間も見つからないケースは想定外だ。その理由を当たり前のように言い続けられるのにも苛立ちを覚えた。 食材を待ちきれず昼食は家にあるもので済ませていたところ、注文から3時間以上経過した14時37分。ようやく「店舗に商品を集荷に向かっている状況です」というメッセージが届いた。 行方不明になった最初の配達員は日本人の名前だったが、今度は配達員名から中国人と思われた。商品が届いたのは14時55分、注文から4時間25分後だった。