「西園寺さんは家事をしない」最終回直前Pコメント――「全てを奇麗に収める意識は取っ払った」
松村北斗が築いた倉田瑛茉との信頼関係が、ルカを輝かせた
――複雑な役どころを演じた松村さんのお芝居はいかがでしたか? 「松村さんのお芝居の繊細さには圧倒されました。演じているように見えないというか、お芝居に見えない瞬間があるんです。“楠見俊直”という人がここにいる、という感覚になるというか。第1話や前半のまだ心にシャッターがある状態の楠見のかたくなで張り詰めた空気感、中盤の西園寺さんや周りの人に心を開いて柔らかくなった変化、そして後半に西園寺さんと過ごした日々の影響の大きさを感じさせるような新しい表情や感情…それまでまとっていたよろいが少しずつ剥がれ落ちていく楠見の変化を、驚くほど丁寧に繊細に積み上げてくださって。楠見が変わっていくさま、そして感情が大きく動いていることが見えるお芝居には、いつも心が揺さぶられました。かと思えば、コミカルな表情や動きをさらっと見せて笑わせてくれたり! でも、そのコミカルさのあんばいや差し込み方もとても緻密なんですよね。彼のお芝居の奥行き、丁寧さ、繊細さには本当に驚かされました。こんなに近くでそのお芝居を拝見できて私もとても勉強になりましたし、このお芝居に見合ういいドラマにしなければと身が引き締まりました」 ――ルカ役の倉田瑛茉ちゃんとの仲むつまじい様子も話題でしたね。 「本作にとってすごく大事な存在のルカの魅力を最大限に引き出してくれたのは松村さんの力が大きかったと思います。本当の親子のように瑛茉ちゃんに寄り添って、彼女をリラックスさせてナチュラルにいさせてくれたから、ルカという魅力的なキャラクターが輝いた。そういう面でも松村さんにはとても感謝しています。現場では、2人で一緒に笑っている声がずっと聞こえてきて、その声を聞くとみんな幸せな気持ちになれました」 ――育児描写の細やかさは、岩崎さんご自身の経験も生きていますか? 「そうですね、日々育児と仕事でバタバタなので、このドタバタな出来事やあるあるをドラマに盛り込んで生かそう! と思っていました。私もそうですが、脚本家チームも含め、子育て中のスタッフがとても多い制作現場で。みんなで『こういうのあるあるだよね!』『子どもってこういうこと言うよね!』『こういうときこうしてもらえたら救われるよね』とか、さまざまな意見を出し合うことができ、リアルな育児事情が反映されたのかもしれないですね。だから、『育児描写がリアル』と思ってもらえるのはうれしいです」