「讃岐うどんはもろちん、骨付き鶏もうまい」の間違いがわかるか…月刊誌で実際にあった"恥ずかしすぎる誤植"
■「エデイタースクール」「専問的訓練」は明らかに間違いだが… 次の教材で私はさらに困惑した。校正刷りに赤字を入れよ、という問題なのだが、その文章とは以下の通り。 ---------- 日本エデイタースクールは、出版に携わっている人びとの研修の場であると同時に、これから出版の世界で仕事をしたいと考える人びとが、技能を翌得するための「公共」の場です。 日本エディタースクールは「編集者の職能の確立」をめざし、出版現場の体験と理論の統合を一貫した指導理念として、編集・校正技術等の専問的訓練を行なっています。(以下略) ---------- まず誤字が目についた。冒頭の「エデイタースクール」の「イ」は小さい「ィ」。「翌得」は「習得」の間違い。「専問的訓練」の「専問」は正しくは「専門」だろう。早速赤字を入れて直したのだが、あらためて読み直してみると、文章としてどこかヘンである。まず最初の文章に出てくる「同時に」がおかしい。「研修の場」と「技能を習得する場」なら同時に成立するかもしれないが、「研修の場」と「技能を習得するための『公共』の場」は後者が前者を内包しており、同時というより同義ではないだろうか。それに「公共」という言葉は公的機関であるかのような誤解を招く。さらには日本エディタースクールが「めざす」ものと「指導理念」が錯綜(さくそう)しているような印象を受けるし、「日本エディタースクールは」という書き出しを繰り返すのは標語でもあるまいし、美しくない。日本エディタースクールを知らなくても論理的に文章は直せるわけで、私は全面的に赤字を入れることにした。 ---------- 日本エディタースクールは、出版に携わる人びとの研修の場であるとともに、これから出版の世界で仕事をしたいと考える人びとが、技能を習得する場でもあります。 設立の趣旨は「編集者の職能の確立」。そして「出版現場の体験と理論の統合」を一貫した指導理念として、編集・校正技術等の専門的訓練を行なっています。 ---------- 我ながらスッキリ校正できたような気がしたのだが、校正者の境田稔信さんに見せると苦笑いされた。