統合問題からLIVまで ローリー・マキロイが“物言い”「米司法省が障害だと思う」
<BMW・PGA選手権 事前情報◇18日◇ウェントワースC(イングランド)◇7267ヤード・パー72> 久常涼の“個性派”スイングを連続写真で分析! 今週、ロンドン郊外で開催されるDPワールド(欧州男子)ツアーのフラッグシップ大会に出場するローリー・マキロイ(北アイルランド)が、開幕前日の18日に行われた会見で、LIVゴルフなどについて“物申した”。 昨年6月に電撃発表されたLIVゴルフを財政面で全面的に支援するサウジアラビアの政府系ファンド『PIF』と、PGAツアーの統合だが、ここまで「骨組み」だけで未だ統合合意には至っていない。 「障害のひとつは“米司法省”だと思う」 統合交渉する米男子ツアー理事会メンバーのマキロイは、そう話す。 さらに「選手の持つ観点と司法省の見方とは違う」と続け、「もっと問題なのは、おそらく選手の半分は統合に賛成、半分は反対と思っていること。それぞれ自分の立場が有益になることを考える。ツアーは統合を実現させたいし、投資家たちもそう願っている。しかし選手たちの意見が問題を複雑にしている」とまくしたてた。 米司法省は長らくサウジアラビアの政府系ファンドが米国のスポーツに投資するその手順について問題を提起している。先週、NYでPGAツアーとPIFが会合を持ったとも報じられたが、詳細は見えてこない。この状況のなかマキロイから、「それでもみな統合に向かっているから、必ず解決するだろう」と前向きな発言も飛び出した。 またジョン・ラーム(スペイン)が来年のライダーカップ出場を目指していることについては「ルールに従って欧州チームに入れればすばらしいこと」と歓迎。昨年12月にLIVゴルフに電撃移籍したラームは、現在DPワールドツアーに参戦できない。罰金を支払うことで参戦可能となるが、ラームは「罰金は支払わない」とし仲裁委員会に上告。その結果、現在はDPワールドツアーでのプレーが可能となった。 ラームの参戦を歓迎する一方で、LIVゴルファーとなったイアン・ポールター、リー・ウエストウッド(イングランド)が将来ライダーカップの“キャプテン”になることには懐疑的な立場を示す。「キャプテンはとても重要な役目。若い選手らが共感できる人物であることが重要。今の彼らがどこでプレーしているのか、分からない」とバッサリだった。(文・武川玲子=米国在住)