<保志総一朗>「ガンダムSEED」20年の思い 新作公開で「自分の中で再スタート」
劇場版が公開されると、SNSで関連ワードがトレンド入りするなど大きな反響を呼んだ。
「SNSでごく一部の意見しか目にはしていませんが、大きな反響を感じていますし、満足していただけたという実感があります。正直、少し怖い部分もあったんです。キラとラクスの物語に焦点を当てていますが、『SEED』の全体の物語がどう動くのか?などそれぞれに求めるものがあるでしょうし、どういうふうに刺さるのだろうか……というところは未知数だったんです。僕はキラの視点で演じていますし、大満足なのですが、皆さんはどうなのかな?という不安がありました。それぞれのキャラクターが輝いていて、2時間によく収まったな……とも思うのですが」
◇キラの変化に苦労も
保志さんが話すように「SEED」シリーズは群像劇としての魅力もある。「SEED FREEDOM」は各キャラクターの魅力が凝縮されている。保志さんが演じるキラは「SEED DESTINY」では悟りの境地に至ったようなところもあったが、「SEED FREEDOM」では“人間らしさ”が見えるシーンもある。キラの変化をどのように感じているのだろうか?
「僕としても『DESTINY』のキラは完成されたように感じているところがあります。シンやアスランが人間くさい部分を見せ、葛藤している中、キラだけ超人めいているようにも見えます。今回は、キラの視点で内面が描かれていて、台本を読んだ段階でびっくりしたところもありました。『SEED DESTINY』から2年たって、成長しているところもありますが、キラの持っていた弱さも見えます。どうにもならないつらさ、悩み、葛藤があり、キラもただの超人ではないところを感じていました。弱さを見せることで、本来持っている魅力も見えてきます。みんなが思うほど、出来上がってないところに、びっくりしたけど、うれしい部分でもありました。『SEED』の時はキラと一緒に悩み、リンクしながら手探りでできたところもあったのですが、『SEED DESTINY』では先に行かれたような感覚もありました。今回は一緒に悩んで、ぶつかることができ、より身近な存在というのが感じられたことがうれしかったんです」