「ゼブラゾーン」は走行しても違反ではない!? 事故の際の過失割合はどうなる? 似ている路面標示にも注意が必要です
過失割合が不利になる場合がある
ゼブラゾーン(導流帯)を走行することは、道路交通法上の違反とはならないが、もし走っていて交通事故が起こると、過失割合が高くなる可能性があるようだ。 これについては、複数の損害保険会社が、ホームページなどで説明している。それらによれば、たとえば一般的に、2車線ある道路で、右の車線を直進するAというクルマと、左の車線から進路変更したBというクルマが接触事故などを起こした場合、進路変更したBの方が過失割合は高くなるという。 だが、車線を直進するAのクルマがゼブラゾーンを走っていた場合、過去の判例ではAの過失割合が10%~20%ほど引き上げられる傾向にあるという。 こういった点からも、ゼブラゾーンにはできるだけ入らない方がいいことが分かる。
似ている路面標示に要注意
ちなみに、道路標示には、いわゆる導流帯としてのゼブラゾーンと似ているものもある。代表的なものを以下に紹介するが、ゼブラゾーンと違い通行禁止の道路標示もあるので、注意が必要だ。
立ち入り禁止部分
ゼブラゾーンと同様に縞模様の線が入っているが、その周辺に黄色の実線が入っている場所は、「立ち入り禁止部分」。クルマの通行、侵入、駐停車が禁止されているエリアだ。見通しの悪いカーブや道路の形状が複雑で事故が起こりやすい場所など、事故防止や交通整理が必要な場所に設置されていることが多い。
停止禁止部分
縞模様の実線が入った四角い枠の道路標示は「停止禁止部分」だ。警察署や消防署の前などに表示されている。この部分をクルマで通行することは許されるが、この表示の中に停止すると違反だ。 安全地帯 路面電車の停留所や幅が広い横断歩道の途中などで見かけるのが「安全地帯」。歩行者の保護を目的とした指示標示だ。白線の枠の外に黄色の実線が記されていることが一般的で、車両はこの標示の枠内に進入することは禁止。また安全地帯に歩行者がいる際は、徐行しなければならない。
まとめ
前述の通り、ゼブラゾーン(導流帯)は、交通量の多い交差点の手前など、交通事故や渋滞などの起こりやすい場所に記されている道路標示。道路交通法で走行は禁止されていないものの、安全やスムーズな交通の流れのためには、避けて通るべき場所だといえる。 また、これも先述のように、ここを走行し事故が起きると、過失割合でも不利になる傾向にあることも知っておきたい。よく、右折レーンへ入りたいのに、渋滞でなかなか前に進まないことで、ついついゼブラゾーンを通るクルマも見かける。だが、「急がば回れ」の精神も大切。右折の近道としてゼブラゾーンを走ることは、安全運転のためにも、やめた方がいいのだ。
平塚直樹(HIRATSUKA Naoki)