4月に着任した10人のJALふるさとアンバサダー＝24年4月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　日本航空（JAL/JL、9201）は4月15日、客室乗務員が出身地など全国各地に移住し、地域の魅力を発信する「ふるさとアンバサダー」のオリエンテーションを開き、1日付で着任した10人が出席した。 【写真】4月に着任したJALふるさとアンバサダーの客室乗務員 　ふるさとアンバサダーは社内公募で、2020年8月にスタート。地域活性化に関わりたい客室乗務員が出身地やゆかりのある地域に移住し、新たな特産品の開発や魅力発信、地域の課題開発に取り組んできた。2022年9月からは、海外基地に所属する客室乗務員のうちタイと台湾の計2人が「JALふるさとアンバサダーGLOBAL」として東京を拠点に活動している。 　これまでに27人の客室乗務員がアンバサダーを経験。今年度は20人が活動し、うち10人が1日付で新たに着任した。今回の新任は、宮城、新潟、愛知、愛媛、香川、福岡、熊本、宮崎、奄美大島の9カ所で、福岡のみ2人で残り8カ所は1人ずつとなる。任期は1年間だが、本人や地元の希望などで延長となるケースも出ている。 　このほかに活動中のアンバサダーが、北海道に3人、大阪に2人、愛知に1人（新任と合わせて2人）、青森と京都、大分に1人ずつおり、東京に「GLOBAL」要員としてタイと台湾から1人ずつ着任し、活動している。 　15日のオリエンテーションでは、客室乗務員出身の西原口香織・ソリューション営業本部副本部長が、新任アンバサダーを激励。3月まで熊本支店長を務め、4月に執行役員に就任した西原口副本部長は、自らも支店長として熊本で暮らして地域の課題に触れたことを振り返り、「旅行に行っただけでは難しい。経験は人を育てるので、地域に溶け込んで課題に取り込んで欲しい」と、アンバサダーたちに移住する意義を説いた。 　高松で活動を始めた金川（かねがわ）浩子（08年入社）さんは、ワーケーションで四国全体に足を運んだ際に魅了され、出身地ではない高松のアンバサダーに名乗り出た。プライベートで通訳ボランティアなどの経験もあることから、前任者が種まきした活動を引き継ぎつつ、地元の人たちの要望を聞きながら活動していきたいという。金川さんは「関係人口から移住して、腰を据えて活動したいです」と意気込みを語った。 　宮城に移住した相澤枝穂さん（15年入社）は宮城県石巻市出身。石巻をはじめ宮城県は2011年の東日本大震災で大きな被害を受けたが、「宮城は全然知られてないですね」と、乗客との会話から感じたことが、アンバサダーに立候補するきっかけだったという。「仙台空港の国際線は韓国や台湾なので、直行便がない欧米豪からの観光客が少ないです。インバウンド（訪日）需要が広がる中で、ぜひ来てほしいです」と、ふるさとやJALの魅力を発信していきたいという。 　新任アンバサダーの募集は2月にあり、3月に発表。4月1日付で着任し、15日に10人が初めて集まった。オリエンテーション後は、各地での活動が本格化し、訪日客や国内旅行の拡充、地域の活性化につながる提案をしていく。