実は教えたくない? 一皿の満足度が高い4皿コースを求めて、常連が通い詰める銀座の隠れ家ビストロ
ズワイガニのコンソメジュレ✕スパークリングワイン
ある日のコースの前菜は「ズワイガニ カブのブランマンジェ コンソメのジュレ」。常連にファンの多いイヴォワール定番の前菜の一つ。ブランマンジェにしたカブが丸くこんもりと盛り付けられ、その上にたっぷりのズワイガニとコンソメジュレがかけられている。風味のあるカニのうまみに、クリーミーなやさしさのカブとコンソメジュレが重なった一体感がおいしい一品。冬のごちそうが詰まった前菜がコースの期待を高めてくれる。
前菜におすすめのワインはフランス・アルザス地方のスパークリングワインであるクレマン・ダルザス。「こちらはボリューム感をおさえてすっきりしたスパークリングワインで、カニやコンソメのジュレにとてもよく合います。1杯目としてスムーズに口に運びやすいワインです」とソムリエの佐藤さん。ほどよく引き締まった味わいだが、コクや苦みはしっかりあって、前菜にきらびやかさを与えていた。
ヒラメのパイ包み焼き✕ほんのり甘やか白ワイン
魚料理には旬の魚を使った一皿が提供される。「ヒラメのパイ包み焼き アメリケーヌソース」はヒラメと、ズワイガニやほうれん草を練り込んだホタテのムースで構成されている。キャベツで包まれたヒラメの身はしっとりと軟らかく、パイの香ばしさが一緒になると、サクサクとした食感との違いが楽しめる。さらにアメリケーヌソースの魚介の風味が贅沢にマッチ。一皿の幸せをしっかりと噛みしめることができる。
ヒラメのパイ包み焼きにおすすめなのは、フランス・ロワール地方のソーヴィニヨン・ブラン。「貴腐菌がついたブドウを数%使う事により、芳醇な香りと蜜のような甘みをアクセントに加えています。それが魚介のパイ包み焼きととてもよく合います」と佐藤さん。熟した味わいの中にフレッシュさや酸があって、魚介類とも調和していた。
仔羊もも肉のステーキ✕エレガント赤ワイン
コースのメインとなる肉料理には、羊が使われることが多い。日本に流通する羊肉はほとんどがオーストラリアやニュージーランドから輸入されたものだが、イヴォワールでは十勝産の契約農家から一頭買いで羊が仕入れられている。こちらのラム肉は、ラム独特の香りは控えめで、さっぱりとジューシーで特有のうまみがあるという。毎日、さまざまな部位が使用されているため、新たな発見をすることもできる。