輪島の遺体は垣地さん 兄「まじめで優しい弟だった」 直接死228人に
能登半島地震で土砂崩れが起きた輪島市市ノ瀬町で25日に見つかった遺体について、輪島署は28日、行方が分からなくなっている同所の瓦ぶき職人垣地英次さん=当時(56)=と確認した。石川県は地震による建物倒壊などで死亡した直接死が228人になったとした。 「まじめで優しい弟だった」。兄弘明さん(59)=金沢市=によると、昨年11月に垣地さんと同居していた母が亡くなり、1人だと寂しいだろうと、正月は兄弟2人で一緒にテレビを見ながら過ごそうと約束していた。しかし、弟は元日の地震で土砂崩れに巻き込まれた。 弘明さんは身元判明後、北國新聞社の取材に「ようやく家族の元に戻ってきてくれた。ほっとしている。捜索してくれた関係者の皆さんに感謝したい」と話した。 現場付近の捜索活動は、二次災害の恐れがあるとして3月に中断。6月に再開されたが、9月の記録的豪雨で再び中止された。11月18日から再び捜索を始め、県警が25日に遺体を発見、DNA型鑑定などによる身元確認を進めていた。 輪島市では今も、2人の行方が分かっていない。