今の時代だからこそ心穏やかにトコトコと走りたい! レトロな雰囲気に包まれた日産「FIGARO(フィガロ)」とは
最近注目!?の日産「フィガロ」
日産フィガロが驚くほどの人気ですね。 TBS系番組の「バナナマンのせっかくグルメ‼︎」で、日村勇紀が黄色く塗られたフィガロでグルメ巡りをしています。それが全国的にフィガロ人気に火をつけたのかもしれませんが、中古のフィガロ車も高騰しているようです。 【画像】日産「FIGARO」の画像を見る(15枚)
そもそもフィガロは、1989年に日産が東京モーターショーで発表した「パイクカー」プロジェクトがスタートです。 時代はバブル経済の余韻を残しており、自動車メーカーも潤沢な資金を元手に魅力的なモデルを企画していました。その中で日産は、スカイラインGT-RやフェアレディZといった高性能モデルを発表するいっぽうで、生活を華やかにするキュートなモデルをリリースしたのです。その一つが『フィガロ』です。デビューは1991年になります。 基本骨格はマーチがベースになっています。ですが、内外装はまったく別モノです。レトロな雰囲気に包まれていますね。
スタイルも個性的ですが、僕が個人的に気に入っているのはインテリアです。オフホワイト基調のしつらえです。ダッシュパネルからコンソールやステアリングまでオフホワイトで統一されているばかりか、計器類も精緻な機械式時計のようなレトロな趣で整えられています。ラジオですら、昭和のようなデザインなのです。 ボディは2ドアクーペスタイルですが、ルーフとリアウインドーを折り畳んでトランクに格納できるようになっており、セミオープントップのスタイルなのが特徴です。
速く走ることは、求められていなかった!
搭載するエンジンは直列4気筒1リッターターボエンジンです。最高出力は76馬力、最大トルクは105Nmですから、最新のモデルほど速く走るわけではありません。ですが、そもそもフィガロを高速で飛ばすのは相応しくはありません。
穏やかな気持ちでトコトコとドライブするのが似合うのですから、その意味では十分な動力性能と言っていいでしょうね。 1991年頃は僕もまだ若かったですし、レースに没頭している時期です。フィガロのある生活はキラキラと魅力的に輝いてはいましたが、現実的にはむしろスカイラインGT-RやフェアレディZに興味が注がれていたのです。サーキットの往復も頻繁でしたしね。だから足の速いモデルが必要でした、という事情もありましたからね。 ですが、最近はフィガロに食指が動いています。今でこそ、心穏やかにトコトコとドライブするのも楽しいのだろうと思うのです。 フィガロのある生活、素敵ですよね。 ◾️日産「FIGARO」 <エンジン> 形式:MA10ET 種類:直列4気筒OHC・ターボ 使用燃料:無鉛ガソリン 総排気量(cc):987 圧縮比:8.0 最高出力(ps/r.p.m):76 (56kW)/6000 最大トルク(lg-m//r.p.m):10.8/4400 燃料供給装置:ニッサンECCS 燃料タンク容量(リットル):40 <寸法・定員> 全長(mm):3740 全幅(mm):1630 全高(mm):1365 ホイールベース(mm):2300 最低地上高(mm):150 乗車定員(名):4
「フィガロ」と同じ1991年3月に発売されたホンダ「JADE」はレーサーレプリカブームの中、シンプルなスタイリングにロードスポーツの操縦性能を持たせたネイキッドモデルでした。
木下隆之