「石破首相も本心では賛成だろう」 自民・野田議員、立憲・辻元議員らが「選択的夫婦別姓」実現に向けて意見交換
「子の姓」の扱いが争点となってはいるが…
現行法では、生まれてきた子の姓は戸籍筆頭者のものに統一される。 選択的夫婦別姓に関する法案については、別姓夫婦の子の姓(氏)を「夫婦の婚姻の際にあらかじめ定めておく」か「子の出生の際に父母の協議で定める」かが、争点の一つとなっている。前者の場合には兄弟姉妹で姓が統一されるが、後者の場合には兄弟姉妹が異なる姓を持つ(例:兄が父の姓、弟が母の姓)可能性があるためだ。 1996年の法制審議会の答申案では前者の制度が、2001年の公明党案や2022年に最新版が提出された野党案では後者の制度が採用されている。 しかし、井田氏は「子の姓の振り分け」は本質的ではなく副次的な問題に過ぎないと指摘。また、現行法でも、「子の氏の変更届」を提出することで兄弟姉妹によって異なる姓を振り分けることが可能であるという。 「夫婦別姓を導入している海外でも、子の姓の振り分けが社会問題となっている国はない。 まずは現行法と子の名付け方が同じ、法制審議会のお墨付きのついた答申案で、法改正を早期決着してほしい」(井田氏) 辻元議員も、子どもの姓についてはそれほど大きな問題ではない、とコメントした。
公明党や共産党も選択的夫婦別姓に賛成
野田議員や日本維新の会の石井苗子(みつこ)議員は、反対派らの多くは「選択的夫婦別姓になると、同姓が例外になり別姓が基本になる」といった誤解を抱いている問題を指摘。石井議員は「『選択的同姓制度』と表現した方が理解を得られやすい」と提案した。 公明党の佐々木さやか議員は、同党が一貫して選択的夫婦別姓に賛成の立場であり続けていると述べたうえで、勉強会と同日に行われた参議院本会議にて、公明党・代表代行の竹谷とし子議員が「選択的夫婦別姓制度の早期導入について総理の決意を伺います」と踏み込んだ質問を行ったことに触れた。 なお、竹谷議員の質問に対して石破首相は「国民の理解が形成されることが重要」「国会で議論していくことが重要」などと返答している。 日本共産党の岩渕友議員は、世論でも経済界でも選択的夫婦別姓に賛成する声が強くなっていることを指摘したうえで、「色々と言わずに、スパッとやってしまうべきだ」とコメントした。
弁護士JP編集部