岡山の路面電車は日本一短い4.7キロ…「チャギントン」に「KURO」、魅力満載で目が離せません
今回の鉄フォトは岡山市を走る岡山電気軌道です。 【写真特集】岡山電気軌道の沿線と車両、見どころをたっぷり
1912年に路面電車の営業を始め、現在は岡山駅前を発着し、柳川で分岐する2路線が運行しています。岡山城がある烏(う)城(じょう)公園や岡山後楽園に近い城下筋を通り、旭川を渡って東山に至る東山線と、中心部を南北に貫く柳川筋を走る清輝橋線です。営業距離は計4.7キロと、日本で一番短い路面電車です。
岡山県出身の工業デザイナー・水戸岡鋭治さんがデザインを手がける車両が、利用客を楽しませます。超低床車両の「MOMO」や、英国の鉄道アニメ「チャギントン」に登場する車両を再現した「おかでんチャギントン電車」など多彩。同車内は水戸岡さんのオリジナル設計で、モニターや座席など、チャギントンの世界を再現した色とりどりの内装が子どもたちに人気です。東山には同社工場の一角を改修し、MOMOの模型などを展示した「おかでんミュージアム」があり、館内からは整備に並ぶ車両を眺めることもできます。
今回の撮影場所は旭川に架かる小橋付近です。最古参の3000形を、岡山城(烏城)にあわせて「烏(からす)の濡(ぬ)れ羽色」の黒のデザインに改修した「KURO」が走りぬけました。この車両も水戸岡作品。県出身の画家・竹久夢二の作品が随所にデザインされた特別仕様となっており、外装内装ともに見応えがあります。
市には、昨年オープンした岡山芸術創造劇場ハレノワの前を通る区間約600メートルを延伸して路線を環状化する構想があり、岡山駅前広場への乗り入れに向けた工事も進んでいます。路線は短くとも、街と一体になって市民の足として進化していく路面電車から、目が離せません。(東京写真部 大石健登)
※鉄道写真撮影の際のお願いです。マナーを守って安全に撮影しましょう。