月額2980円のコンビニジムが大ヒットで3期ぶりの黒字化へ! RIZAP・瀬戸 健社長を直撃!「chocoZAP、つくりすぎじゃないですか?」
■193億円の赤字にも絶望しなかったワケ ――こうしてお聞きしていると、まだまだchocoZAP事業には大きな伸びしろがありそうですね。 瀬戸 ええ。そもそもchocoZAPはコロナ禍がなければ生まれていない事業ですから、ピンチとチャンスは表裏一体なのだと実感しますね。 ――でも、193億円の赤字を出したときはさすがにこたえたんじゃないですか? 瀬戸 確かに苦しいときもありましたが、結局、覚悟の問題なのだと思います。あの時期は息子と何げなくテレビを見ていたら、唐突に私の謝罪会見の様子が流れることがしばしばありました。 だからといって目を背けたり、息子にニュースを見せないようにしたりするのではなく、この現実としっかり向き合いながら、絶対に自分で状況を変えてやるんだと強く思っていました。 ――経営から降りたり、会社を売却したりといったネガティブな考えは? 瀬戸 まったくなかったです。 ――そのときにはすでに逆転の手が頭にあったから? 瀬戸 いや、そうでもないです。具体的な策は持ってなかったんですが、それならそれで、アイデアをひねり出すまで寝ないで頑張ってやる、と。人間、そこまで覚悟を固めていると自信が出てくるものなんですよ。 ――えぇ~。 瀬戸 これは実はダイエットに似ていて、いきなり2ヵ月で10㎏痩せろと言われても、普通の人はまず無理だと思うでしょう。でも極端な話、10㎏痩せるまで食べなければこれは必ず実現できるんです。 問題はプロセスで、ちゃんとしたノウハウを提示して一歩ずつ進められることが理解できるから、PIZAPの会員さまは10㎏落とせるんです。 chocoZAPも、事業整理の結果が見えている中でテストを始め、確信を高めていくプロセスがあったからこそ、ここまで成長させられているのだと思います。 ――瀬戸社長はいわば〝歩くRIZAP〟のような人ですね。そうしたメンタルの強さは生来のものですか? 瀬戸 どうなんでしょうね? 日本は平和な国なので、もし事業がうまくいかなかったとしても命を取られるわけではない。だったら覚悟を決めて最大限やり切るしかないと思っています。 ――ズバリ、chocoZAP事業はこの先どこまで伸びるでしょうか? 瀬戸 実際問題として、興味はあるけど近所にないから入会していないという層はまだまだ非常に多いです。 また、こうしたフィットネスは、月に1度といった頻度ではなくて、やるならもっと習慣的かつ継続的に利用するものですから、そうしたニーズを引き続き掘り起こすことは可能だと思っています。コンビニなどは1万以上という規模で存在しているわけですから、目指すべきはそこでしょう。 ――1万店は壮大な目標です。 瀬戸 うちの場合、店舗ごとにどのマシンがどれだけ利用されているかが、すべて細かく数値化されています。だから、まだまだ細かいニーズにお応えできますし、chocoZAPでトレーニングにハマり、RIZAPへ移るという流れも生まれています。 今後そうしたグループ内のシナジーを強化していくことで、さらなる業績向上は実現できると思っています。 取材・文/友清 哲 撮影/榊 智朗