「ドリス」の“矛盾の心地よさ”、アジア女性に似合う「セシリー」、NCTジャニーでカオスの「アクネ」2024-25年秋冬パリコレ取材24時Vol.3
それぞれのアイテムを見ると、ベースになっているのは日常着のようなアイテム。丸く肩が盛り上がったテーラリング、コクーンのような彫刻的フォルムのアウター、ボタンが背中につき後ろ前になったようなチェックシャツ、中綿を入れたバミューダショーツ、エレガントに仕上げたスエットパンツなどがそろいます。また、1月に発表したメンズのニットにも見られたような前身頃に配したファスナーを開けて片袖を首に巻くようにまとうスエットや、片袖とストールが一体化したようなアイテムなどのアイデアは新鮮。スタイリングの幅が広がりそうです。
そんな巧みな色彩感覚と自由な着こなしが際立った今季、ドリス・ヴァン・ノッテンが語ったのは、「ウエアラブルは、退屈である必要はない」ということ。日常着に特別感や変化を加えていくコレクションが多いシーズンのムードを象徴する一言です。“矛盾の心地よさ”が生み出す美しさは、モデルが一列に並んで登場するフィナーレで最高潮に。その余韻に浸りつつ、会場を後にしました。
16:00「セシリー バンセン」
デンマーク発の「セシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)」のショー会場には黒orパステルカラーのフワフワしたお洋服のゲストが集まっており、お互い写真を撮り合うなどオフ会の雰囲気。かつて東京で「ピンクハウス」のショーの際には会場最寄りの地下鉄の駅がガーリーな服の顧客で埋め尽くされ圧巻だったことを思い出します。「セシリー バンセン」はそこまでではないけれど、永遠の乙女心に火をつけるという意味では同じです。
会場の中央にはグリーンアップルのオブジェがドン!それは「日常性」の象徴だそうで、前日の「アンダーカバー」に続き、「日常」というキーワードが気になります。ラグジュアリーブランドの余剰在庫生地を若手が活用するシステム「ノナ ソース」を生かした素材使っていたり、引き続き「アシックス」とのコラボシューズを発売したりとトピックもいろいろ含まれた可愛いショーでした。