竹下景子「西田敏行さんの訃報にショックを受け…『クイズダービー』では、大橋巨泉さんがあだ名をつけてくれた」
現在発売中の『婦人公論』2025年1月号の表紙は、女優の竹下景子さん。ここまで仕事を続けることができたのは、人との出会いのおかげと語る竹下さん。健康でいるために、体調チェックも兼ねた毎朝の愛犬の散歩は欠かせないと語ります――。発売中の本誌から、特別に記事を先行公開いたします。(撮影=浅井佳代子 構成=篠藤ゆり) 【写真】着物での立ち姿が美しい竹下さん * * * * * * * ◆気が付けばもう半世紀 2024年は4作の舞台に立つことができ、忙しくも充実した一年になりました。デビューは20歳ですから、気がつけばもう半世紀(笑)。 私はあまり先の計画は立てないたちですが、ここまで仕事を続けることができたのは、ひとえに作品との出会い、人との出会いのおかげです。 とくに、師匠に恵まれたことが大きかったと思います。『クイズダービー』では、大橋巨泉さんがあだ名をつけて可愛がってくださってね。 舞台では石井ふく子先生と何度かご一緒して、着物での所作を手取り足取り教えていただきました。 倉本聰先生の『北の国から』にはおよそ20年にわたって出演させていただきましたが、あの時代はアナログで丁寧にドラマが作られていて。そのなかで育ってこられたのは幸運でした。
◆西田敏行さんとの別れ 長く仕事を続けていると、悲しい別れもあります。 NHKのオーディオドラマで17年近くご一緒した西田敏行さんの訃報には、ショックを受けました。 2人でさまざまな役を演じ分けるドラマで、時には目と目を見交わしながら愛をささやいたことも(笑)。 西田さんはいてくれるだけで安心できる方で、最後のほうは車椅子でいらしていましたが、「今日もお暑うございます」なんておっしゃると皆が幸せな気分になるんです。本当に多くのものをいただきました。
◆毎日を楽しむには 近年は悲しいことに災害も多く、今は目の前にある日常に感謝しながら過ごしています。 毎日を楽しむには、自分と家族が健康でいることが、基本だけれど一番大事なことのような気がするのです。 わが家では愛犬の散歩が日課で、朝は夫と2人、体調チェックも兼ねてせっせと歩いています。忙しいときは近くに住む息子たちが助っ人として来てくれるので、ありがたい限りです。 2025年に望むのは、災害が起きないでほしいということ。皆さんにとっていい年になるよう、心から願っています。 (構成=篠藤ゆり、撮影=浅井佳代子)
竹下景子
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