男性を遭難へ導いたのは「看板の45度のズレ」だった?プロファイリングで導いた可能性とは
後日、一本の電話を受けた。私たちが提出したこの報告書を受け、未捜索であった沢を警察が捜索してくれることになったのである。 そして、この沢からMさんは発見された。
発見から数日後、Mさんは秩父市内で荼毘(だび)に付された。 私たち捜索隊員も参列させていただき、Mさんをお見送りした。 ご家族は、「弟が山で遭難してから時間が止まったままでしたが、見つかった日から時計の針が少しずつではありますが動き始めました」と、とても穏やかな表情で話してくれた。Mさんは3ヶ月半振りに自宅へ帰られた。 ※『「おかえり」と言える、その日まで―山岳遭難捜索の現場から―』より一部抜粋・再編集。
デイリー新潮編集部
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