失格になってもその戦いには満足。ラッセルが選ぶ2024年ベストレースはベルギー「一生誇りに思うだろう」
メルセデスのジョージ・ラッセルは、2024年シーズンのF1で2勝を挙げ、ドライバーズランキング6位で終えた。しかしその勝利数は3となる可能性もあった。ベルギーGPでラッセルは、首位でフィニッシュしながらも、最低重量違反により失格となったからだ。 メルセデスF1、12年間共に戦ったハミルトンへ贈るスペシャルムービー ただラッセル自身にとってもこのベルギーGPでの走りは、良い走りだったと誇れるモノだったようだ。 ラッセルはこのベルギーGPを6番グリッドからスタート。10周目にピットインし、10番手までポジションを下げるシーンもあった。しかしほとんどのマシンが2ストップ作戦を採る中、ラッセルはタイヤの性能劣化(デグラデーション)が少ないのを見極め、1ストップで走り切ることを選んだ。 これが功を奏したラッセルは先頭に躍り出ると、その後もペースは衰えず。最終盤にはライバルたちに背後まで迫られ、プレッシャーをかけられたが、これを抑え切ってトップチェッカーを受けることになった。2番手でフィニッシュしたのは、2ストップを選んだラッセルのチームメイトであるルイス・ハミルトン。メルセデスの1-2フィニッシュである。 ただレース後、ラッセルのマシンはレギュレーションで規定されている最低重量を1.5kg下回っていたことが発覚し失格。ハミルトンが代わりに勝者となった。にもかかわらずラッセルは、このレースでのパフォーマンスは、2024年シーズンで最も誇りに思えるモノだったと語った。 「スパは間違いなく最高のドライブだったね」 そうラッセルは語った。 「ラスベガス(このラスベガスGPもラッセルが勝利)も、最初の12周はF1で走ったレースの中で、最高の12周だったと思う。でもそこからは、タイヤのグレイニングを発生させないようにゴールを目指せばそのレースに勝てる……そんな感じだった」 「でもスパは本格的な戦いだった。戦略も運任せだった。そして特に最後の2~3周は、ひとつもミスしてはいけないと分かっていた」 「ルイスはDRSを使っていた。ターン5までの直線(ケメルストレート)が長いから、最初のコーナーをうまく抜ける必要があった。彼は新しいタイヤを履いていたし、あっさりと抜いていくだろうから、保守的になりすぎるわけにはいけなかった。そしてロックアップのようなミスをするわけにもいかない。でも、どれだけプッシュできるか、それを正確に分かっていたんだ」 「あのドライブは、一生誇りに思うだろうね」
Alex Kalinauckas