マスク氏、米財務長官人選に「口出し」 投稿に陣営内部から不満も
米実業家のイーロン・マスク氏は16日、トランプ次期政権の重要閣僚ポストである財務長官の人選を巡り、自らが適任者と考える人物を実名で「X(ツイッター)」に投稿した。マスク氏はトランプ氏の大統領選勝利に貢献して新政権への影響力を強めているが、重要閣僚人事への「口出し」はトランプ氏陣営内部で反発を招く可能性がある。 財務長官候補は、トランプ氏陣営で経済政策のアドバイザーを務めた米投資会社トップのスコット・ベッセント氏か、トランプ氏の政権移行チームを主導する米金融会社トップのハワード・ラトニック氏の2氏が有力とされている。 マスク氏は16日、Xへの投稿で「私の見解では、ベッセント氏は通常通りの選択だが、ラトニック氏は実際に変革を実現するだろう」と主張。続けて「通常通りの手法が米国を破産に追いやったわけで、何らかの形での変革が必要だ」とし、ラトニック氏が適任との見方を公言した。 マスク氏は大統領選でトランプ氏陣営に巨額の献金をし、選挙集会で応援演説を重ねた。トランプ氏と蜜月関係を築き、来年1月に発足する新政権では新設する「政府効率化委員会」トップへの起用が決まっている。 米紙ワシントン・ポストは16日、マスク氏の発言について「皆が不満を感じている」とのトランプ氏陣営関係者のコメントを引用し、「マスク氏の影響力の増大が、一部のトランプ支持者をいら立たせている」と報じた。【ワシントン大久保渉】