【猫の下痢】内臓疾患や細菌感染の可能性も…病院に行く行かないはどう判断すればいい?獣医師が解説
愛猫が下痢をしている! 飼い主にとっては一大事だ。下痢を伴う病気はたくさんあるので、あれかこれかと心配になってしまう。具体的に、どのような原因で下痢になることが多いのか。下痢をしたらただちに動物病院を受診するべきなのか。気になる疑問に、獣医師の鳥海早紀さんに答えてもらった。 (写真)トイレに両脚をかけるキュートなポーズをとる猫ちゃん
実は最多!? フードが原因の下痢
猫の下痢の原因は実にさまざま。ウイルスや細菌、寄生虫、アレルギー、異物誤飲、内臓疾患、ストレスなどが挙げられる。動物病院に勤務する獣医師の鳥海早紀さんは「私の体感では、最も多いのは食事が原因の下痢です」と話す。 食事が原因の下痢は、食べたものの消化吸収不良のために起きる。 「フードの種類を変えたとき、量を多く与えすぎてしまったときなどに、下痢をすることがありますね」(鳥海さん・以下同) 市販のキャットフードを別のキャットフードに切り替えただけで、フードが傷んでいなくても、猫にとって毒性のあるものが混入していなくても、猫によっては下痢してしまうことがあるのだとか。 「人間でも、牛乳を飲むとどうもお腹をくだしてしまって困るという人がいると思います。猫も体質に個体差があるので、新しいフードに、これまでのフードにはなかった成分が入っていて、それがうまく消化できないということがありえます」 フードを切り替えたタイミングで下痢になった場合は、いったん元のフードに戻して様子を見るのが吉。加齢に伴うフード変更だった場合は、下痢がおさまってから別の種類を試したり、病気に伴って療法食に切り替えた場合は、獣医師に相談したりして解決を図ろう。 また、フードが原因かどうか分からないときも、下痢をしたあとはフードをぬるま湯などでふやかして与えるなど、消化器の負担を減らすことが大切だ。 「量もしばらくは控えめがいいでしょう。そもそも猫はフードを食べすぎると消化しきれなくて下痢になったりするので、飼い主さんがしっかり管理して、適量を食べさせてあげてください。脂っこい人間の食べ物を与えるのは厳禁です」