河本結の精度の高いアイアンショットの秘密をプロが解説【勝者のスウィング】
「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で5年ぶりの通算2勝目を飾った河本結。今季は年間トップ10回数が13試合と、ランク1位に位置する河本のスウィングをみんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が解説。 河本結の高めのティーアップでアイアンを打つドリル(撮影/大澤進二)
明るくポジティブな笑顔で5年ぶり通算2勝目を飾った
今季安定した成績を積み重ねていた河本結選手が、ついに5年ぶりの勝利を飾りました。ショット、パット、メンタルと昨年までよりも一段も二段もレベルアップして来たことはこれまでの戦いを見て感じていました。何よりプレー中の表情が明るくポジティブで以前のようにミスした自分を責める姿も見られなくなっていました。 今季からコーチを付けずに自分でスウィングや練習方法まで考え、築き上げて来た成果が実を結びました。スタッツを見るとパーオンホールのパット数1位とパットの貢献度が高いこともありますが、ここではパーオンさせるアイアンショットに注目してみます。先週も練習場で高めにティーアップし、アイアンを打つドリルをしている姿を見ていましたので、見てみましょう。
高めのティーアップでアイアンを打つドリル
高めにティーアップして打つドリルは青木瀬令奈や桑木志帆選手も取り入れる練習法ですが、打点を揃えること、入射角を一定にすることに効果的です。打点のバラつきはショットのクオリティに直結しますので、再現性の高い安定したショットを力を身に付けるうえで重要な要素になります。 入射角が鋭角すぎるとロフトは立って当たるので低い出球になり、アッパー軌道で当たると高い出球になります。河本選手は、何球打っても同じ高さの弾道を打ち続けていましたので入射角、打点ともにとても安定しているな、と感じていました。 河本選手は、テークバックでフェースの向きを確認しながら繰り返し練習していました(画像B)が、フェース向きを見てみるとオープンでもシャット過ぎることもなく、ダウンスウィングでシャフトが地面と平行な位置でも同じフェース向きで下りて来ていることが画像Aの左と画像Bを比べてみると見て取れます。