【スロースリップ】千葉・房総沖の“ゆっくりすべり” 数年おきに繰り返し発生…群発地震と関係? 「週刊地震ニュース」で分析…世界では“巨大地震”も
千葉県東方沖を震源とする地震が相次ぐ中、1日開かれた地震調査委員会の臨時会合では、震源近くの房総半島沖で「ゆっくりすべり」と呼ばれる地殻変動が観測されていることが報告されました。房総沖周辺では「群発地震」と「ゆっくりすべり」が数年おきに繰り返し発生していて、過去には震度5弱の揺れを観測したことも。今後も強い揺れを伴う地震が起きるおそれも―――。 (※2023年2月6日「週刊地震ニュース」の内容を再編集) 【動画】「スロースリップ」のメカニズムは? 複数のプレートが重なる関東地方
■千葉県房総沖周辺での群発地震
2022年12月19日午前0時ごろ、千葉県長南町で震度4を観測する地震がありました。震源は千葉県北東部。実は、この地震がおきたエリアは何年かおきに、まとまった地震活動がおきている場所です。
■2018年6月は1か月で震度1以上の地震26回発生
▼2018年6月から約1か月にわたり千葉県東方沖から千葉県北東部・南部付近にかけて地震活動が活発になりました。 ▼6月3日から30日までに最大震度1以上を観測した地震は26回発生。 ▼26回のうち、最大震度4を観測した地震が2回、震度3を観測した地震は6回ありました。 ▼このうち最大規模の地震は6月12日に海域で発生したマグニチュード4.9の地震。6月16日にはマグニチュード4.4の地震、さらに6月26日にはマグニチュード4.3の地震がおきています。
■2014年にも同領域で地震多発
2014年1月にも2018年6月と同じようなエリアで地震が頻発していました。この領域内で起きた地震の回数積算図の矢印は、1996年、2002年、2007年、2011年、2014年、2018年を指していて、これらの年にはまとまった地震活動と、さらに「ゆっくりすべり」という現象が一緒におきていました。
■「群発地震」と「ゆっくりすべり」4~5年おきに繰り返し発生
2022年12月19日に発生した地震の領域ではマグニチュード4から5クラスの「群発地震」と「ゆっくりすべり」が1~2週間あるいは、1か月ほど続くという現象が、4年から5年の間隔で繰り返しおきています。
■「ゆっくりすべり」
これらの地震の共通点①は「フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生」。共通点②は群発地震と一緒にプレートの境界で「ゆっくりすべり」という現象が起きていること。 「ゆっくりすべり」とは、ゆっくりと断層が動くが地震波を発生させずにひずみを解放する現象です。