「三体月」ロマン求め 中辺路と本宮で観月会、和歌山県田辺市
和歌山県田辺市の中辺路町と本宮町で23日深夜から24日未明にかけ、熊野地方に伝わる「三体月」にちなんだ観月会があった。中辺路町では世界遺産に登録されている熊野古道「潮見峠」(標高約540メートル)で開催。三体月は現れなかったが、参加した約20人がロマンあふれる催しを楽しんだ。 【「令和の熊野詣」ゴール 京都から那智へ延べ千人、世界遺産登録20周年の記事はこちら】 観月会は旧暦の11月23日、山から昇る下弦の月が三つに見えるという伝説にちなみ、中辺路町観光協会と熊野本宮観光協会がそれぞれ開いている。 潮見峠では、月待ちの儀式として熊野山不動院(上富田町朝来)の滝谷知山住職(51)が読経するなどし、皆で月の出現を待った。午前0時40分過ぎに下弦の月が東の山並みから現れたが、三体にはならなかった。 前回の本宮町に続いて2度目の参加という神奈川県厚木市の女性(55)は「感動した。月が出てくる時の濃いオレンジ色をした光のパワフルさは特別」と笑顔を見せた。 本宮町では大日山(標高369メートル)の山頂近くに約30人が集まり、月が現れるのを待った。観光協会によると、三体月ではなかったが、美しい月が昇ったという。 次回は2026年1月11日の予定。
紀伊民報