大雨で被災し一部不通続くJR山陰線、2025年の運転再開目指す方針…「粟野川橋梁」橋桁再利用が条件
昨夏の記録的な大雨の影響で一部不通となっている山口県内のJR山陰線について、JR西日本は13日、2025年の運転再開を目指す方針を示した。被害が最も大きかった「粟野川橋梁」(全長130メートル)の橋桁を再利用できることが条件という。 【表】「輸送密度1000人未満」山口県内は4路線5区間、存廃議論する目安に該当…JR西日本が公表
発表によると、大雨で傾いた橋桁を今月上旬に取り外し、現在は損傷の程度を調べている。再利用が可能な場合、新設する橋脚に元通り架け直す。当初は25年度の復旧を想定していたが、新たな橋桁を造らずに済めば25年中に時期を前倒しする。
山陰線は同県の長門市―小串駅間(50・6キロ)が大雨で不通となり、被害が軽微だった長門市―人丸(13・9キロ)と滝部―小串(15・1キロ)の両駅間は6月22日に先行して復旧した。JR西日本の広岡研二・広島支社長は山口市で記者会見し、「工事の進展や天候にも左右されるが、25年中の全線再開を目指したい」と語った。
一方、同じく大雨のため全線不通となっているJR美祢線で、沿線を流れる厚狭川の改修工事が25年度から本格的に始まることについて、広岡支社長は「(工事期間中は)被災リスクが残り、復旧作業を進めるのは困難。鉄道以外の公共交通について地域と議論したい」との認識を改めて示した。