秋の中国高校野球、米子松蔭が優勝逃す…投手⇔捕手の交代どよめく
秋季中国地区高校野球大会は4日、島根県出雲市の県立浜山公園野球場で決勝が行われ、米子松蔭(鳥取)は広島商(広島)に3―6で逆転負けし、初優勝を逃した。しかし、決勝まで勝ち上がり、来春の選抜大会出場に近づく戦いを繰り広げた選手たちに、スタンドからは大きな拍手が送られた。 【写真】準優勝となり、表彰される米子松蔭の惣郷主将(中央)
広島商6―3米子松蔭
広島商は一回に4番名越が2点本塁打を放ち、先制。その後逆転されたが、五回に相手の暴投や、7番柳井の2点適時打などで4点を奪って試合をひっくり返した。米子松蔭は2点を追う三回、一死三塁から1点を返し、3番惣郷の適時三塁打で逆転した。しかし、その後、相手の勢いを止められずに失点を重ね、優勝を逃した。
米子松蔭・塩塚尚人監督「持っている力は出し切った。新里も満身 創痍そうい の中、行けるところまで頑張ってくれた。(出場の可能性がある)選抜は投打ともにレベルアップしなければ戦えない。何が足りないのかを考えて整理したい」
「勝つためなら何でもやる覚悟」
五回、米子松蔭のピンチでの交代に球場がどよめいた。エース新里が捕手に、マウンドには捕手の惣郷が上がった。3日の準決勝後、「(連投となる)新里がだめな場合は誰で行くか」という塩塚監督の問いかけに惣郷が手を挙げた。10月から練習試合で投げていたといい、「勝つためなら何でもやる覚悟だった」。
交代直後に点を奪われたが、六回以降は無失点で3点差に踏みとどめた。この日は打っても2打点。今大会、チームの躍進を支えた主将は「(全国で一番になれるよう)全体の力を底上げしていきたい」と誓った。
読売新聞