急流で死亡者発生、古墳崩壊…韓国の慶尚南道で200年に一度の大雨
先週末、全国を襲った異例の秋の豪雨で、全羅南道長興(チャンフン)で1人が急流に流されて死亡し、住民たちが緊急に家を出て避難するなどの被害が相次いだ。 慶尚南道には200年に一度降るような大雨が降り、古墳が崩れ、道路が浸水した。 時間当たり70ミリに近い集中豪雨が降った全羅南道長興では21日、歩道を歩いていたAさん(89)が急流に流され行方不明になり、翌日遺体で見つかった。警察は大雨で水路と歩道の見分けがつかなくなり、Aさんが水路に落ちたとみている。全羅南道消防本部と警察は22日、Aさんの自宅から300メートル離れた長興邑の平和貯水池でAさんの遺体を発見し、正確な事故経緯を調べている。 2日間で500ミリを超える記録的な大雨が降った慶尚南道昌原(チャンウォン)は、都心のあちこちが浸水した。昌原市馬山合浦区(マサンハッポグ)では、山湖洞(サンホドン)の集合住宅の壁の一部が崩れ30世帯54人が避難し、月影洞(ウォリョンドン)一帯は道路の浸水で車が浸水する被害が発生した。また、馬山会原区合成洞(マサンフェウォング・ハプソンドン)では電信柱が道路に倒れた。金海(キムヘ)では21日、ユネスコ世界文化遺産の大成洞古墳群の一部が崩れた。崩壊した部分は西側斜面の横12メートル、縦8メートルほどで、国家史跡区間に含まれる。崩壊時に通りかかった人はおらず、幸い人命被害はなかった。釜山市沙上区(プサンシ・ササング)では、横5メートル、縦7メートル、深さ5メートルほどの大きなシンクホール(道路陥没)が発生し、トラック2台が落ちた。釜山市は現在、原因の把握と復旧作業を行っている。 20日と21日の2日間で嶺南地域に降った累積降水量は、昌原529.4ミリ、金海431.1ミリ、加徳島(釜山)426.0ミリ。21日の一日だけで降った雨は昌原397.7ミリ、釜山378.5ミリ、金海368.7ミリだった。気象庁は同日、昌原と金海に降った一日の降水量は200年に一度の降水量だと説明した。 釜山、忠清北道、忠清南道、慶尚北道、慶尚南道、全羅南道、全羅北道の7市道、46市郡区では1014世帯の1501人が土砂崩れや川の氾濫などの危険に備え、緊急避難した。このうち455世帯の682人は帰宅できなかった。被災者405世帯595人は臨時住居施設に、他の人々は親戚の家や敬老堂・公民館、民間宿泊施設などに滞在している。 秋の収穫を控えた農作物の被害も相次いだ。忠清南道で1897ヘクタール、全羅北道で1597ヘクタール、慶尚南道で462ヘクタール、全羅南道で81ヘクタール、慶尚北道で43ヘクタールなど、農耕地4116ヘクタールが浸水した。浸水被害を受けた作物は、稲3831ヘクタール、サンチュ84ヘクタール、トマト39ヘクタール、イチゴ34ヘクタール、長ネギ15ヘクタールなど。 行政安全部中央災害安全対策本部(中対本)は、21日午後11時基準で道路浸水107件、土砂流出21件、擁壁崩壊1件、その他33件などの公共施設被害が発生したと発表した。私有施設の被害は住宅浸水170件、商店街浸水26件、工場浸水3件、病院浸水1件、伝統市場1件、車両浸水2件、その他28件など。 ホ・ユンヒ記者、全国総合 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )