投資家としてのジェフ・ベゾス、近年は「AIロボティクス」に重点
アマゾン創業者のジェフ・ベゾスは、非常に優れた投資家としても知られており、エアビーアンドビーやウーバーなどへの初期投資を成功させてきた。彼は、ここ最近は人工知能(AI)を活用したロボティクス企業への投資に注力している。 AIロボティクス企業Swiss-Mile(スイス・マイル)の共同創業者でCEOのマルコ・ビエロニックは、昨年4月、ビデオ通話でベゾスにプレゼンを行なう機会を得た際、アマゾンが社内の会議で使用することで知られる「6ページのメモ」のフォーマットに資料をまとめて提案を行ったと話す。 「ベゾスがとても忍耐強くリラックスして話を聞いてくれたことに驚いた」とビエロニックは語る。この通話は30分の予定だったが、実際には1時間に及んだという。 スイスのチューリッヒを拠点とするスイス・マイルは、このプレゼンがきっかけで、8月にベゾスが共同主導した資金調達ラウンドで2200万ドル(約35億円)を調達した。同社は、車輪がついた犬型のAIロボットを物流の現場に投入しようとしており、チューリッヒの都市部で初期バージョンのテストを実施中だ。 スイス・マイルは、昨年ベゾスが投資した少なくとも9社のスタートアップのうちの1社だ。このうちの7社が、AI関連であることが判明しており、4社は、スイス・マイルやFigure AI(フィギュアAI)のようなAIロボティクスを専門とする企業だった。ベゾスがこの分野の企業に投資したことが公に確認されたのは、昨年が初めてだ。 ベゾスは、自身の投資戦略についてコメントしていないが、彼は、AIロボティクスを次の大きな商業的ブレイクスルーと考えている可能性がある。「彼のような富豪は、自分たちの業界に有益な技術の最前線にいたいと考えている」と、ファミリーオフィスのみをリミテッドパートナーとする投資会社Concentricの創業パートナーであるキャルタン・リストは述べている。 リストは、Eコマース業界を基盤とするベゾスがこれまで物流センター向けの不動産やロボティクスを投資対象としてきたが、次のトレンドに自律型ロボットを見据えていると指摘した。