特別展「昆虫 MANIAC」(国立科学博物館)レポート。マニアックな視点と最新の研究から、昆虫の多様な世界に迫る
人の視点によって益虫にも害虫にもなりうるムシたち
ときには人の役に立ち、ときには害をなすムシたちは、私たちの暮らしとは切り離すことができない。そして、私たちの活動はムシたちに様々な影響を与えている。ゾーン3「ムシと人」では、ムシと私たちのこれからを考えていく。 人間の視点によってムシは益虫にも害虫にもなりうる。たとえば、クロスズメバチは地中にある巣の存在に気づかなかった人が襲われることもあり、害虫と考えられてしまうこともあるが、農地などでのムシによる食害を抑制する働きも持っている。カイガラムシは樹木の生育に悪影響を与え、すす病を引き起こすこともあるが、ある種のカイガラムシのワックスはコーティングに利用され、体液の色素は染料として利用されている。このようなムシは数多くあり、展示では代表的なムシたちが紹介されている。 昆虫、そしてそれ以外のムシについても深く掘り下げ、楽しく知識を身につけられる本展は、大人も子供も楽しめる展覧会だ。夏休みの機会を利用し、ぜひゆっくりとムシの世界を楽しんでみよう。
Moyo Urashima