「必ず1校は合格できる」高校受験の仕組み 「合格確約」制度まである私立高校受験、都立高校には「受験倍率を見て出願先を変えられる」制度も
都立高校受験では応募倍率を見て出願先を変えられる
次に都立高校の入試だが、推薦選抜と一般選抜(第一次募集、第二次募集)がある。 推薦選抜に出願するには学校長の推薦が必要で、調査書(内申点を含む)や面接、作文・小論文などで合否が決まる。募集枠が少ないので倍率が2~4倍ほどになり、合格は確約されない。合格した場合は必ず入学し、不合格になった場合は同じ学校や他の学校の一般選抜に出願できる。 一般選抜は学力検査(全日制は5教科)と外部の英語スピーキングテストESAT-J(第一次募集のみ)、調査書(内申点含む)で合否判定される。筆記試験と調査書の比重は、原則として7:3である。第一次募集(分割前期募集)と第二次募集(分割後期募集)があり、第一次で入学辞退などがあって定員に満たない場合に、第二次を実施するが、初めから前期と後期に分割して入試を実施する高校もある。第一次で合格した者は第二次に応募できない。基本的には第一次が都立入試のメインで、2024年度の都立高校全体の第一次募集の倍率は1.29倍。2倍を超えたのは豊島(2.08倍)と新宿(2.15倍)だけで、他は2倍以下に収まっている。 都立高校の入試では、応募倍率を見て、1回だけ出願先を変更できるのも大きな特徴だ。 「出願先の高校にあまり人気が殺到しているようなら、変えることができます。中学入試ではすべての学校が独自問題を作成しているので、志望校ごとに対策が必要で、直前に志望校を変えるのは難しいですが、都立の高校入試だと基本的に共通問題なので、簡単に出願先を差し替えられる。上位校だと独自問題を作成していますが、出題傾向としては学校間でそれほど差はありません」(東田氏) 都内の高校入試全体の日程としては、2025年度は、12月半ばからの事前相談を経て、1月22日から私立の推薦入試、1月26日・27日に都立の推薦選抜、2月10日から私立の一般入試、2月21日に都立の一般選抜の順に実施される。
取材・文/清水典之(フリーライター)