【速報】「育児したいなら退職すれば」“パタハラ”で降格異動か 社員が賠償求め「オルゴール堂」提訴 京都地裁
北海道に本社を置き、50年以上の歴史を持つ「オルゴール堂」(本社・北海道小樽市)に勤める男性社員が、会社の規則に基づき、深夜業務の制限を申し出たところ、子会社に転籍・降格させられたとして、20日、会社側に約680万円などの損害賠償を求める裁判を京都地裁に起こしました。 訴えを起こしたのは、「オルゴール堂」に勤務する正社員の男性(30代)です。
■“社長から「育児したいのなら退職すればいい」精神障害を発症”と主張
訴状などによりますと、子どもが生まれた男性社員は、おととし12月、育児のため、会社の「育児・介護事業に関する規則」に基づき、深夜業の制限を申し出たところ、その2日後に突如役員から電話で一般職への降格処分を言い渡され、翌月にはオルゴール堂の店舗に転籍・降格させられました。 男性によりますと、「事前の相談もせず申し出たこと」などを理由に始末書を提出させられたうえ、会社社長から対面面談で「育児したいのなら退職すればいい。お前のやることはくだらない。今回の件は政治家が不用意な発言を一言して政治生命が絶たれるのと同じ」などと非難を受けました。 その後、男性は精神障害を発症し、去年4月から今年5月に復職するまで休職しました。 男性は20日、これらの会社側の対応について、転籍や降格処分等は違法だとして、会社側に約680万円などの損害賠償を求める裁判を京都地裁に起こしました。 男性の弁護士は、会社の対応は厚生労働省が禁止する「男性の父性(パタニティ)に対するハラスメント」いわゆる「パタハラ」に該当すると主張しています。
■ホームページには「誰もが働きやすい職場環境づくり 育児休業の取得推奨」と記載も
オルゴール堂は、読売テレビの取材に対し「訴状が届いていないのでコメントを差し控える」と回答しました。 オルゴール堂は、1967年創業で、北海道小樽市や京都市の嵐山など、日本各地の観光地でオルゴール等を展示・販売していて、ホームページには、「『誰もが働きやすい職場環境づくり』 産前産後休業・育児休業・介護休業の取得推奨など、仕事と生活の両立および従業員の生活向上に注力しています」と書かれています。