米SEC委員長、イーサリアム現物ETFの上場承認は「今夏中」と発言
イーサリアム現物ETF今年夏に承認か
米国における現物イーサリアム(ETH)ETF(上場投資信託)の上場・取引に関する最終承認が、3カ月以内に行われる可能性が出てきた。これについて米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長が、6月13日の上院銀行委員会の公聴会で発言した。 なお同公聴会には、ゲンスラー委員長の他に米商品先物取引委員会(CFTC)のロスティン・ベーナム(Rostin Behnam)委員長も出席している。 公聴会でビル・ハガティ(William Bill Hagerty)上院議員は、SECのイーサリアムETFの承認プロセスについて質問。それにゲンスラー委員長は、「それぞれの発行体は承認手続きを進めており、順調に進んでいる」とし、S-1フォームの承認は「今夏のどこか」になる可能性があると述べた。 またハガティ議員は、「イーサリアムは商品か?」と両委員長に質問。ベーナム委員長は「そうです」と即答したが、ゲンスラー委員長は直接の回答を避けている。 SECは5月23日、バンエック(VanEck)とアークインベストメント(ARK Investment)/21シェアーズ(21Shares)、ブラックロック(BlackRock)を含む9社の発行体による現物イーサリアムETFの上場申請(19b-4申請)を承認。しかし、取引開始前に承認が必要となるS-1登録申請書についてはまだ承認していない。 また今回の公聴会では、ハガディ議員がゲンスラー委員長に厳しい意見を向けている。 ハガディ委員はゲンスラー委員長に対し、ルール策定を切望する分野に優先順位を付けていないと指摘。暗号資産業界は「革命的業界であり、米国がリードすべきもの」だとし、ルール策定が進む他国と比較し、米国ではSECやCFTCが常に障害を起こしていると述べ、このことが革新的業界が海外に押しやられる結果を招いていると非難。これはアメリカが求める結果ではないとし、ルール策定に集中すべきとの考えを示した。
髙橋知里(幻冬舎 あたらしい経済)