社会のためになるゴルフの生かし方を日々追求!? 尾崎直道の元キャディ・足立美都樹さんが取り組む「ゴルフォロジー」とは?
尾崎直道のキャディ
人生のどん底を何度も体験し、「ゴルフォロジー」に生きる。ジェットコースターのような人生とはまさに彼女のことだ。 足立美都樹は、愛知県一宮市生まれ。今年49歳になった。ゴルフは高校時代に始め、すぐにハマった。中京女子大学体育学部体育学科に入学。ゴルフ部のキャプテンを務めた。卒業後、東海ラジオで営業事務を2年。その後NHK名古屋放送局で営業事務を2年。そのうち大学ゴルフ部の顧問から連絡があり、尾崎直道のキャディの話が出た。 「東海クラシックに出たいのでキャディを探していると。在校生にはいないから、私に白羽の矢が。日本で賞金王を取り、PGAでシードを取り、私たちのヒーローだった方です。びっくりしました」 キャディは大学時代のバイト以来。小松シニア(当時花の木GC)で内田袈裟彦のバッグを担ぎ、「厳しい人だと言われていましたが、気に入られて翌年もやったんです。"スーパーケサゴ"と書かれた5番ウッドをもらいました」と言うから、キャディの素養はあったのだろう。尾崎直道のキャディも緊張はしたけれど、夢のような時間で楽しかった。「一期一会のキャディの予定が、秋からの3試合くらいも担ぐ話になりました」
27歳のとき。自身のゴルフに欲も出て、キャディをしながら日本女子アマ出場と国体代表を目指して取り組み実現させた。努力の人でもあるのだ。その頃、大学の先輩、桑原克典からキャディをしてほしいと連絡があった。 尾崎のキャディと並行してやることになった。"大物"プロ2人に、何が気に入られたのかと聞くと「しゃべりじゃないですか」とけむに巻くが、「苦しいときもありました。ラウンド中に上手くいかないとギクシャクする。プロはそこで何か言葉が欲しいんですよ」。 しかし、この経験が糧となった。元来持つコミュニケーション力“コミュ力”に磨きがかかった。 「思っていることを言ってはいけないんだと。プロが欲しい言葉、思い付かないようないい言葉を言うことが身に付いた。昔は主語が『私が』でしたけど、『直道さんが』『桑原さんが』に変わりました。体育大でこんな勝ち気な性格で、人と闘ってしまいがちだった私が、プロを自分に憑依させて考える感じにまでなったんですよ(笑)」