社会のためになるゴルフの生かし方を日々追求!? 尾崎直道の元キャディ・足立美都樹さんが取り組む「ゴルフォロジー」とは?
「マネジメントの仕事は、もっとできたのでは、という悔しい思いでいましたし、『もしドラ』を読んだりして勉強していたんです。まずはスポンサー候補を図表化して、手分けしてスポンサー依頼をしていくことから始め、今5社付いています。ここで直道さんや桑原さんの名前を出すと説得力が増す。もちろんお二人には了解を得ています。『使っちゃって!』と(笑)」
足立が考える「マネジメント」とは?
マネジメントとは? という問いに足立は、「選手と企業をつないでお金を生むことです。選手の成績は重要ですがそれだけが価値ではない。選手に何が足りないか、お互い話をして、いろいろな方の力を借りて育てる感じです。日本では選手が上でマネジャーが下に思われがち。私はキャディ時代も同等ではないけど対等ではいたいと思っていて、プロともキャディ中はタメ語で話をしていましたし、マネジャー業はいつも隣に選手がいると思うように考え、彼がどう輝けるかを考えていました。その延長にマネジメントがあるんでしょうね。選手には、あなたをスポンサードしてくれる理由は一緒に感動したいからだと言います。プロなんだから感動させるのが仕事、そのキモを忘れてはダメだと。それを社長や社員と分かち合えるかが大事だと。どちらの側の気持ちもくみながら。調整力ですよね」。 足立の積み重ねてきた実践経験が、マネジメント力の源になっている。最近、人生を語ってほしいなどの講演会の依頼も増えてきた。そして大学の非常勤講師の話だ。 「これも直道さんの女性マネジャーだった方からのご縁です。授業では、最後にラウンドするんですけど、個人だけでなくチーム3人で目的と目標を決めます。その後、テストとレポート。前期授業の学生たちの書いたものを見て泣けました。私の言葉が伝わっていたと。授業の話をインターン中に上司に話したとか、ご家族に話したと聞くと嬉しいです。丸腰で社会に出ていく生徒たちに武器を与えたい。社会とつながる勉強をゴルフを通して伝えたいんです」 縁は、大切にしている人間には、パワーとなってつながっていく。 足立の仕事の柱は、ゴルフ、教育、メディアだ。ゴルフに恩返ししたい思いで活動している。今後数人の男子プロのマネジメント業務も決まっている。ゴルフは人生の縮図とも言われるが、自身の人生は今、何ホール目だろうか。 「ゴルフはピンチをチャンスに変えられる。最後長いパットが入ってバーディ、といったこと。アドバンテージは向こうにあるのにまさかと。帳尻が合うのかな」