覚えておけば災害時も使える。「アイラップ」時短調理術&おすすめ4レシピ
調理工程をスキップしてもおいしい「基本のポテトサラダ」
下ごしらえが面倒な料理も、「アイラップ」を使えばラク。一例としてポテトサラダにチャレンジします。 材料(2人分) じゃがいも:2個 きゅうり:1/4本 にんじん:3cm ロースハム:3枚 [A] マヨネーズ:大さじ2 酢:小さじ2 塩:小さじ1/4 こしょう:少々 つくり方 1. きゅうりは薄い輪切りにし、塩少々(分量外)をまぶして5分おき、水気をしぼる。にんじんは薄いいちょう切り、ハムは小さめの短冊切りにする。 2. 皮をむいて小さめのひと口大に切ったじゃがいもを、「アイラップ」に入れ、水小さじ2を加える。袋の先をねじって耐熱皿にのせ、600Wの電子レンジで3分30秒加熱。いったん取り出してにんじんを加え、再び袋の先をねじって1分30秒加熱し、塩小さじ1/4を混ぜる。 3. 2の粗熱がとれたら、きゅうり、ハム、[A]を加え、「アイラップ」の中でよく混ぜ合わせる。器に移してできあがり。 実はポテトサラダをつくったのは初体験。なんとなく面倒と思っていたからですが、「アイラップ」を利用することで、こんなに簡単につくれるものかと感心しました。味も申し分なしです。
災害時にも力を発揮する「アイラップ」
今年の8月8日、初めての「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発令されました。これをきっかけに、日本人の防災意識が改めて高まり、さまざまな防災グッズが売れました。 防災グッズといえば、筆頭に上がるのが長期保存できる飲料水と食料品。そのあとに、携帯トイレ、ラジオ、軍手、懐中電灯などが挙がりますが、ぜひ加えてほしいのが、「アイラップ」とカセットコンロです。 1~2日で平常に戻るのならともかく、寒い季節で何日にもおよぶ避難生活だと、この2アイテムは絶対あったほうがいいです。 筆者は、2018年の北海道胆振東部地震に遭遇してライフラインが数日止まったとき、それを実感しました。温かい食事は、不安に打ち克つ気力を得るためにも必要なのです。 災害時において、真水はとりわけ貴重になりますが、「アイラップ」があれば、節水しながらふだんに近い食事ができる利点があります。 本書には、災害時にもつくれる、缶詰などの備蓄食材を使った料理のレシピもあります。ここでは、基本のごはんの炊き方と「さばトマパスタ」を紹介します。 炊飯器なしでつくるごはん 材料(1合分) 白米:1合(180ml) 水:1.2合(210~220ml目安) つくり方 1. アイラップに米(研がずにOK)を入れ、分量の水を注ぐ。 2. 袋の空気を抜いて先をくるくるとねじり、上のほうで結んで20分おく。 3. 鍋に水を入れて耐熱皿(ない場合、ふきんやシリコン製のマット、金属製のザルなどで代用)を敷き、2を入れる。水の量は米全体が浸かるくらいが目安。 4. ふたをして火にかけ、沸騰したらふたを取る。湯が軽くぽこぽこした状態の火加減で、25分ほど加熱する。 5. トングなどで袋を取り出し、10分ほど蒸らす。 6. キッチンばさみで口を切り、ごはんをほぐす。アイラップごと皿に盛ると、皿が汚れず、洗いものが出ないので節水に。この湯は再利用することも可能。 お米が立つようなできあがりとするには、米・水の分量、加熱・蒸らし時間をきちんと守ることが重要です。 最初は少しアバウトにやって失敗。2回目はその点に注意して成功。おいしいごはんが炊けました。 必要な栄養素も効率的に摂れる「さばトマパスタ」 調理の簡単さはもちろん、災害時に不足しがちなタンパク質やビタミンを効率的に摂れますよ。 材料(1人分) スパゲッティ(ゆで時間3分のもの):100g こしょう:少々 [A] さば水煮缶:大1缶(180~190g) トマト缶(カットタイプ):1/2缶(200g) 水:50ml 塩:少々 つくり方 1. スパゲッティは半分に折ってアイラップに入れ、[A]を加え(さば缶は缶汁ごと使用)、20分おく。 2. 袋の空気を抜いて先をねじり、上のほうで結ぶ。耐熱皿を敷いて湯を沸かした鍋に入れ、湯せんで10分ゆでる。 3. 取り出して口を開け、こしょう、好みで粉チーズをふる。 お手軽料理とは思えないほど、本格的な雰囲気のスパゲッティが完成。同席した知人からも、リピートしたくなるようなおいしさだと賛辞をいただきました。 このように「アイラップ」で数レシピをつくってみて、時短になり、調理は簡単、洗い物も減らせると三拍子そろったメリットを確かに実感しました。 「アイラップ」自体は安価なものですし、『アイラップで簡単レシピ: おうちごはんの大革命!』には、ほかにもさまざまなレシピが掲載されています。関心を持たれたら、ぜひ実際につくってみては。 Image: 鈴木拓也
鈴木拓也