（写真：ダ・ヴィンチWeb）

耳かき専門店での勤務経験を基にしたオリジナル漫画をSNSで発信する森民つかさ(@uouououoza1)さん。自己否定という“沼”に浸かってしまっている漫画家志望の主人公が耳かき専門店で働き始め、さまざまな想いを抱える客たちとの出会いを通じ、強すぎる自己否定感と向き合っていく姿を温かいタッチで描く。耳かき専門店の知られざる裏側とは。著者の森民さんに、第4話についてお話をうかがった。 【漫画】『耳かき専門店で働いて自己否定“沼”から抜け出す話』を読む

漫画家活動もうまくいかず、アルバイトも長続きしない生活を送っていた主人公。自己否定の“沼”に浸かってしまっていた中、「耳かき専門店」で働き始める。仕事に慣れてきた頃、男子中学生が来店。年齢や大人びた言動に驚く森民だが、接客中に彼が愚痴を口にし始め……。

客とのコミュニケーションでは身の上話も

――施術中にお客さんが寝入る姿が描写されていますが、実際多いのでしょうか？ 最初から最後まで寝続ける方は多くはないですが、体感だと7～8割の方は寝落ちしちゃうのではないでしょうか。皆さん疲れているんですね……と感じます。なかには起こしてもなかなか起きてくれない方もいて、困ったこともありましたね。大声で呼んでも肩をたたいても起きずに、深い眠りに入ってしまっている方もいらっしゃいました。 ――中学生のお客さんには驚きましたが、お客さんの年齢層は？ また珍しいケースがあれば教えてください。 性別は9割がた男性ですが、実は年代は幅広くて、20代～50代まんべんなくいらっしゃいます。ただ、10代はさすがにそこまで多くないですかね。女性だと20代の方が多くて、「YouTubeで耳かきASMRが好きで来てみました」というお客さんが結構いるのには驚きました。 別のスタッフの話ですが、珍しいケースだと、お母さんが子どもの耳かきの仕方が分からないと、小さいお子さん連れで来店されて、耳かきの様子をじっくり見て参考にされていた、なんてこともあったようです。 ――お客さんとはどのような会話をするのでしょうか？またケースバイケースかとは思いますが、話題はどちらから振ることが多いですか？ 常連さんだと自分から話される方も多いですが、初来店だと、こちらからお話を振るようにしています。初めて来店された方には、何がきっかけで来店いただいたのかと聞いて、そこから話を広げるようにしていました。 意外に口コミで来店される方が多くて、来てくれたお客さんが広めてくれているようでした。一度話始めると、結構プライベートな身の上話をしてくれる方も多いんですよね。 やる気はあれど、自己否定感で苦労する自分との向き合い方を実体験ベースに描いた『耳かき専門店で働いて自己否定“沼”から抜け出す話』。森民さんの耳かき専門店での奮闘ぶりと発見の日々をご覧いただきたい。