年金は「月33万円」!必死で働いてきた60代・元共働き夫婦、定年後は勝ち組のはずが…老後計画大崩壊。「財布を一つにしなかった」後悔【FPの助言】
共働き夫婦の場合、老齢厚生年金として年金の2階建て部分が2人分受け取れることになります。夫婦のどちらかが専業主婦(夫)の場合の家庭と比較して、老後に多くの年金を受け取れる可能性が高いでしょう。しかし、共働きならではの注意点もあって……。本記事ではSさんの事例とともに、共働き夫婦の老後の注意点について、社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子FPが解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
「平均的な金額」に安心してはいけない理由
公的年金額については、毎年、厚生労働省から次年度の年金額改定についてお知らせがあります(厚生労働省Press Release「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」)。2024年度の厚生年金保険は夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は23万483円でした。 この金額は平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9,000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。 厚生労働省のモデルケースでは夫婦であり、さらに配偶者は老齢基礎年金のみであることがわかります。ですが、現在では共働き世帯が増えていることから、自分の家庭に置き換えると年金額は大きくかわってくるでしょう。 また、おひとりさまも増加しています。1人ひとりの年金額を参考にするならば、厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」で年齢、性別等で、現在年金を受給している人がどのくらい受け取っているかがわかります。 自分の年金は「ねんきん定期便」「ねんきんネット」で確認をするとわかります。実際に、ねんきん定期便の金額と厚生労働省の平均金額と比べて、自分の年金は高い、低いと判断するのが一般的です。 老後の生活は年金が主な収入源となる人が多いことから、老後資金の必要額も上記を基準に判断しがちですが、その人の年金額、貯蓄額、日常生活の収支によって人それぞれ異なります。また、家族のあり方、セカンドライフの過ごし方によっても大きく変化します。 今回、Sさん夫婦は共働きのため、夫婦2人とも老齢厚生年金を受け取ることができます。年金だけで暮らせる「勝ち組」にみえますが、それにもかかわらず、老後破産に陥ることに……。一体なぜでしょうか?