【スターシアターズ・榮慶子の映画コレ見た?】本心 知りたい亡き母の思い
人の心の中など知りようもない。それは恋人でも家族でも同じこと。そんなことも理解できなかった若かりし頃は、疲れ果てている妻に対して、いたわりの言葉もない夫に絶望したり、傷つけられたと感じた友人を何も言わずに避けたりと、「察してよ!」オーラを放ちながら他者を責めたものだ。 【写真】花嫁はどこへ? 舞台は近未来。主人公の朔(さく)也(や)は生まれた時から母と2人暮らし。その母が、出勤する朔也に「話したい大事なことがある」と言い置いたまま亡くなる。その時代には認められていた自由死という形で。朔也は果てしない後悔と思慕の念に囚われながら、何とかして母の本心を知りたいと願う。 近しい者ほど、「言わなくても分かってくれる」と甘えてしまう。他者は私ではないのだから、きちんと言葉で伝えねば。 (スターシアターズ・榮慶子) ◇ミハマで上映中