絶対ポジティブになれないあなたへ。メンタルコーチが教える、“いい塩梅” になるための不思議系メソッド【前編】
今年のツアーも終了。ランキング上位にいる選手たちを見ると、なんだか“ほんわか”して落ち着いたプレーをする若手が多い気がする。ここに強さの秘密があるのではないかと考えた週刊ゴルフダイジェスト編集部はメンタルコーチの赤野公昭氏に話を聞いた。週刊ゴルフダイジェストの12月17日号に掲載された内容から「みんなのゴルフダイジェスト」では、男子・女子ツアープロの考え方を抜粋してご紹介する。
解説/赤野公昭(あかのきみあき)
「『不安』でいい。不安を生かすと上手くいきます」 1972年岡山県生まれ。世界のアスリートを育てたアメリカのトップメンタルトレーナー、ジョセフ・ペアレント博士に師事。日本古来の「禅」と欧米の最新理論を融合させた独自のメソッドでプロゴルファーなどトップアスリートを指導する。
「欲張らず、惑わされず。静かな強さがそこにある」(赤野)
“ほんわり”の中にある芯 「確かに、最近活躍する若手プロの方々の言動をみると、表面上はホンワカしていて全然ムリした感じがない選手が多い気がします。天然系とも言えるのかもしれませんが、それより“不思議系”という言葉が浮かびました」と赤野氏。 この命名、なんだかしっくりくるではないか。とはいえ、これは強さの証しだという。
●平田憲聖
「海外に行くのは実力がついてからです」 今年大活躍の平田。以前は海外挑戦に控えめな発言をしていたが賞金ランクトップに立ち「ここまできて(賞金王や海外を)意識しないほうがおかしい。だからと言って変わることはないです」。
「よく、ポジティブな気持ちで! なんて言いますけど、そう簡単なことではないですよね。それにネガティブになりがちな方がポジティブに持っていくのはムリです。ですから、ネガティブ思考な方は“不思議系”にシフトしましょうと言いたいんです」 赤野氏はまず、ネガティブな人が持ってしまいがちな「不安」について、そのままの状態でいいと語る。
●桂川有人
「人生、ゴルフだけではないと思ってます」 今年は欧州ツアーに挑戦。予選落ち続きのとき「僕が人より落ち込まないのはゴルフだけにとらわれて人生を考えていないこともある。上を目指してはいるけど、まずは自分のゴルフができるようにすることが肝心です」。