メタ認知とは?ビジネスパーソンが高めるメリットと鍛え方のポイント
メタ認知を高めるためのトレーニング法
メタ認知を高めるためのトレーニングはいろいろありますが、簡単かつ効果が高いのは、「本を読む」「たくさんの人と話す」こと。そして、得た知識をもとに「行動する」ことをお勧めします。 ◆Step1:本を読む、たくさんの人と話す=多くの価値観に触れ自身の偏見をなくす メタ認知のトレーニングは、この2つで十分だと考えています。ただ、簡単に見えますが、本を読むことも、たくさんの人と話すのも、継続して行うことが重要です。 ビジネスでは多くの場合、広く一般の人に向けて商品やサービスを提供します。特にコンシューマ向けの場合は各企業とも、より多くの人に受け入れられ、指示される商品・サービスを開発しようと努力します。 メタ認知が得意な人は、自分の固定観念や偏見を理解したうえでフラットなものの見方ができるので、統計学の確率分布である「正規分布」の中央値(代表値)を取るのがうまく、より多くの人に指示される意見やアイディアが出せる傾向にあります。 正規分布の中央値を取るためには、一部の偏った意見ではなく、いろいろな人の価値観に触れることが大切。いろいろな人の意見を聞くことで、中央値が感覚的につかめるようになるからです。 本を読むことで、自分のそれまでの価値観が覆されるような発見があったり、今の価値観でいいんだと自信を持てるようになったりします。その数を増やしていくことで、メタ認知は着実に鍛えられます。どんな本でもいいですが、今の仕事内容や所属業界に関わるような本を中心に、いろいろな本を読むことをお勧めしたいですね。 そして、人と話すときのテーマや話題は何でもOK。真面目な話でなくても、雑談でも大丈夫です。さまざまな人との会話を通じて、こんな価値観があるのか、こんな考え方もあるのかと視野が広がるでしょう。 また、その中で、「あなたはこういうタイプの人ですね」「こんな考えを持っているんですね」などとフィードバックを得ることがあります。 「自分はそういうタイプではないんだけれど…」と思うケースもあるかもしれませんが、相手からはそう見えているということ。このような経験を積み重ねることで、自分自身がより客観的に、より正しくつかめるようになるでしょう。 ◆Step2:自分の強みや持ち味を伸ばす行動を取る=メタ認知的制御が身に付く たくさんの人との会話を通じて、「あなたはこういうタイプ」とフィードバックを受けたら、それに寄せる行動をしてみるといいでしょう。 例えば、「いつもおしゃれですね」と言われたら、自分ではそうは思わなくても、いつもより服装に気を配ってみるとか、「社交的ですね」と言われたら、異業種交流会に出かけて初対面の人と話してみる、など。 自分に関する思わぬ良いフィードバックを受けても、実感が湧かないとメタ認知として定着しません。フィードバック内容に沿ってプランを立て、モニタリングして、微調整を繰り返す。これを積み重ねることで、他社からのフィードバックが自分に定着し、自分に自信が付きます。 これにより身に付くのが、自分の認知プロセスや思考を意識的にコントロールできる「メタ認知的制御」。例えば、仕事やキャリアの目標を設定し、そこに至るまでの適切な戦略が、より精度高く練られるようになります。 本を読んだりいろいろな人の話を聞いたりして、メタ認知的知識を増やしても、実際に行動してみないとメタ認知的制御までは至れません。行動してみれば「何となく行ける気がする」と自信がつき、それを繰り返せばその自信が定着します。目指すキャリアを実現するためにも、「知識+行動」を意識してみてください。