生かされなかったFAカップの教訓 アーセナルに圧倒されたリヴァプールは「罰せられた」
タイトルレースは混戦に
プレミアリーグ第23節、リヴァプールはアウェイでアーセナルと対戦した。 14分にFWブカヨ・サカに先制点を許し、試合序盤にビハインドを背負ったリヴァプール。前半、主導権を握られる展開が続くが、45+3分にアーセナルのオウンゴールで1-1と同点に追いつくことに成功。ハーフタイムをタイスコアで迎える。 後半に入り、逆転を目指すリヴァプールは立ち上がりから仕掛ける。46分、MFアレクシス・マクアリスターがペナルティエリアの外から思い切ってシュートを放つが枠の外。48分には、FWルイス・ディアスからパスを受けたMFカーティス・ジョーンズが左サイドからカットイン。積極的にゴールを狙う。しかし67分、リヴァプールに悲劇が訪れる。DFファン・ダイクとGKアリソンがロングボールの対応を誤り、処理できずボールはFWガブリエウ・マルティネッリの足元に。無人のゴールに流し込まれて2失点目を献上。またしても追いかける展開になった。 この状況に追い打ちをかけるように、88分にはDFイブラヒマ・コナテにこの日2枚目のイエローカードが提示され数的不利な状況に陥ってしまう。そして90+2分、途中出場のFWレアンドロ・トロサールのシュートがファン・ダイクに当たり、ボールは不運にもアリソンの股の間を抜け3失点目。1-3で敗れた。 米『The Athletic』は「エリートチーム同士の試合というより、地元の公園でゴールが決まるような2ゴールを見た」と振り返る。 「この数年、アリソンとファン・ダイクがリヴァプールの救世主となることが多かった。この2人はすべてを経験し、すべてを成し遂げてきた選手だ。しかし彼らはこのような光景を2度と見たくはないだろう。リヴァプールにとって重要な試合で、世界最高のGKとCBの候補に挙がる選手らしからぬミスを犯してしまった」 そして同メディアは、FAカップ3回戦の同カードで2-0と勝利を収めた試合での教訓が生かされなかったと批判した。 「FAカップ3回戦でリヴァプールはアーセナルのインテンシティとハイプレスに圧倒されたが、何とか嵐を切り抜け開始30分を無失点に抑え、80分以降の2ゴールで2-0の勝利を収めた。教訓を得たと思ったかもしれないが、そうではなかった。切れ味鋭いアーセナルに罰せられたのだ。彼らの罰はアーセナルのハイプレッシャーによるものではなかったが、リヴァプールは流れるような動きに隙をつかれ、リズムをつかめず、翻弄され続けた。アーセナルは一貫してボールへの寄せが速く、中盤を支配し、自陣でのミスを強いた。タイトル争いの重要な一戦と目されていたが、リヴァプールはそのメモ(FAカップ3回戦)を見逃しているように見えた」 “シックスポインター”の重要な試合を落としたリヴァプールはアーセナルとの勝ち点差が2に縮んだ。1試合消化の少ないマンチェスター・シティとも勝ち点差は2でまだ首位につけているものの、暫定的な順位に過ぎない。シティ、アーセナルの下には今季躍進のアストン・ヴィラがタイトルレースに絡んでくる勢いだ。混戦の気配が漂いつつあるプレミアリーグの優勝争いから目が離せない。
構成/ザ・ワールド編集部