立憲民主党代表選で「期待していいかも」と思える候補は誰? 水面下では自民党ばりのドロドロの権力闘争が!
吉田候補についても同様だ。推薦人名簿に花斉会(かせいかい/野田グループ約10人)の奥野総一郎(衆院千葉9区)、小西洋之(参院千葉選挙区)、谷田川元(衆院比例南関東ブロック)といった名前が見える。 「吉田さんが20人の推薦人集めに成功したのは江田憲司元代表代行が出馬を断念し、吉田議員と一本化したためというのが一般的な解釈です。でも、実際にはそれ以前に野田グループ、それも議員の署名を添えた出馬要請書を野田さんに手渡す役目を任されるほどの野田側近である奥野さんらが吉田さんの出馬を手助けしていたということです」 その狙いは3つあると、ある立憲議員秘書が言う。 「ひとつは女性候補の出馬を支援したことで、野田さんの株が上がる。ふたつ目はリベラル色の強い吉田さんが出馬すれば、ライバルの枝野さんのリベラル票を削れるという計算。そして3つ目が決選投票にもつれ込んだ際の吉田陣営からの支援への期待です。野田グループによる吉田陣営支援は一石三鳥の効果が見込めるのです」 ■4候補の政策の温度差 野党第1党の党首は首相になる可能性を秘めている。政権交代が起きたとき、与党に代わって政権を担うことになるためだ。つまり、立憲の代表選候補の選挙公約は、政権交代後の新与党の公約になるかもしれない、ということ。 それだけに4候補の公約の違いにも注目したい。同じ党の政治家だけに大きな路線の違いはないが、それでもそれぞれの主張を精査するとその温度差に気づくはずだ。 まずは消費税。野田、枝野の両氏は消費税減税に慎重だが、吉田候補は5%の消費税率の引き下げ(3年間の時限付き)に加え、食料品非課税も主張している。また、泉代表も食料品に限っての税率引き下げはアリという立場だ。 野党共闘への姿勢も温度差がある。 「次の衆院選で野党が結束し、裏金問題を起こした自民議員への対抗馬として野党統一候補を立てることや政治資金の透明化などの基本政策では4候補とも一致するものの、それ以外では微妙にニュアンスが異なっている。