立憲民主党代表選で「期待していいかも」と思える候補は誰? 水面下では自民党ばりのドロドロの権力闘争が!
野党第2党の日本維新の会は、立憲との選挙協力には否定的とされている。しかし、「維新の中には『保守色の強い野田さんとなら、組める可能性がある』という声もある」(全国紙政治部記者)という。 そこで「目前に迫った衆院選で議席を死守したいという立憲議員の心理もあって、にわかに野田待望論が高まっている」(鈴木氏)というわけだ。 さらにこうした野田推しの動きを加速させたのが、自民党総裁選における"進次郎旋風"だ。小泉進次郎元環境相が自民総裁選に立候補し、今や最有力候補として注目を浴びている。前出の立憲関係者が言う。 「立憲内でもこうした自民党総裁選を巡る動きを横目に、進次郎氏のように40代の若い候補を擁立して対抗しようという動きはあったんですが、結局は実現しなかった。無理に若い候補を押し立てて対抗するのでなく、むしろ重厚で安心感のある野田元首相で進次郎氏の経験不足を突こう、というムードが党内に流れているんです」 野田元首相はかつて自らをドジョウにたとえたことから"ドジョウ首相"とも呼ばれた。野田元首相が代表レースで優勢な背景には、「自民が若い進次郎でくるなら、こちらは老練で経験豊かなドジョウで戦おう」という衆院選を意識した立憲内の駆け引きがあるのだ。 ■自民党にも負けない権力闘争ぶり 党規則で立憲は代表選に出馬するための条件を「20人の推薦人」としているが、人員確保に苦労した候補もいるようだ。例えば、泉代表が20人を確保し、報道陣に出馬を明言できたのは告示日2日前の午後11時50分。吉田氏に至っては告示当日、それも立候補届け出締め切りのわずか30分前、書類を提出したのは5分前と超ギリギリだった。 そんな中で注目すべきは推薦人名簿だ。「なぜ、この人が?」と首をかしげる名前が目につく。 まずは泉代表。推薦人の主力は泉グループとされる「新政権研究会」(約25人)。ところが、よくよく調べると枝野氏を推す党内最大のリベラルグループ「サンクチュアリ」系議員の名が見える。この理由について、前出の立憲関係者が答える。 「本来なら、枝野支援に回るべき石橋通宏、鬼木誠、柴愼一(いずれも参院比例)といったサンクチュアリ系の議員が名を連ねている。取りまとめたのは逢坂誠二代表代行と聞いています。その意味するところはサンクチュアリが泉陣営に推薦人を貸し出したということ。 狙いは決選投票での見返り支援です。代表選では1回目の投票で1位候補が過半数に満たないとき、1位と2位による決選投票になる。現状は野田、枝野のふたりが決選投票に残る可能性が高く、そのときに貸し出しの見返りとして泉票を枝野候補に乗せてもらい、野田陣営に競り勝つ作戦なのでしょう」