日本企業の「台湾」進出は2988社、2年前から4.4%減
日本企業の「台湾進出」動向調査(2024年)
中華民国(以下「台湾」)に進出する日本企業は、2024年7月時点で2988社判明した。3千社を超える水準だった2022年(3124社)に比べ、2年間で136社・4.4%の減少となった。同期間で進出社数が増加した対中国の動向(2022年:1万2706社→2024年:1万3034社、328社増)とは相対する動きとなった。このうち、台湾・中国双方に進出する企業は1514社にのぼり、22年比で37社・2.4%減少した。台湾に拠点を有する企業の半数が中国にも進出していたほか、減少幅は台湾進出企業全体に比べて小幅にとどまった。 台湾への進出は中国大陸進出の足掛かりとするケースが多く、台湾・中国を一体化した市場として進出する企業は少なくないとみられる。足元では、中国経済の減速に伴う景況感の悪化、製造業を中心とした「脱中国」の動きも進むなか、特に中国市場へのアクセスを前提に台湾へ進出した、または進出を検討していた企業では、計画の凍結や見直しなど変化が生じた可能性がある。
製造業が1千社超で最多も、2年で約5%減少 「半導体製造装置」は社数増加
業種別(日本国内の事業内容に基づく)でみると、最も多いのは「製造業」の1156社で、全体の約4割を占めた。2年前(1224社)に比べると68社・5.6%減少した。製造業で最も多い業種はエッチングや洗浄機器など「半導体製造装置製造」の40社で、製造業全体の約3%を占めたほか、2年前から進出社数が増加した。 次いで「卸売業」は877社・29.4%で続き、製造・卸売の2業種で全体の7割を占めた。「卸売業」では、工業用の電気機械器具卸売といった業種のほか、工業用化学薬品、食品など、取り扱い品目は広範囲に及んだ。「小売業」(373社)は、日本食人気を背景にラーメンをはじめとした中華・東洋料理店(28社)や居酒屋(11社)といった業態で進出がみられたほか、中国向けも視野に入れたネット通販サービスなど通信販売(13社)が多かった。 このほか、「金融・保険業」は159社(2022年:161社)が進出し、2年前に比べて減少したものの、中国事業の円滑化・拡大を目的に、台湾企業や台湾現地法人・子会社を経由して対中投資を行う持ち株会社などの形態で進出がみられた。