【MLB】パドレスは最終戦に負けた方が有利な可能性も “首位打者”アライズは欠場させる方が合理的?
メッツとブレーブスによるダブルヘッダーの開催が争点に
日本時間9月29日、ナ・リーグのワイルドカード残り2枠を巡って、ブレーブス、メッツ、ダイヤモンドバックスによる三つ巴の争いが繰り広げられている。ここで鍵を握る要素のひとつが、メッツとブレーブスは他の28球団が162試合を消化し終えた翌日、10月1日にダブルヘッダーが組まれているという点だ。1ゲーム差に3チームがひしめく混戦の最中、各チームのプレーオフ進出条件は複雑なものになっている。既にワイルドカード1位を決め、大谷翔平(ドジャース)と首位打者を争うルイス・アライズを擁するパドレスは、明日の最終戦で負けた方が有利な状況を作れるかもしれない。 メッツ、ブレーブス、ダイヤモンドバックスのプレーオフ進出条件は?明日の結果によるシナリオを全解説! 事の発端は9月26-27日のメッツ対ブレーブスの直接対決がハリケーンによって中止になったことだ。シーズン最終盤、しかもプレーオフ争いの真っ只中にいる2球団の対戦は、レギュラーシーズンとプレーオフの中日にあたる10月1日のダブルヘッダーへとリスケジュールされた。レギュラーシーズンが終わった翌日にワイルドカード枠をかけて同地区ライバルがダブルヘッダーを行う、というシナリオはエキサイティングだったが、ダブルヘッダー実現の可能性がここにきて低くなってきている。メッツとブレーブスのライバルであるダイヤモンドバックスが急失速しているためだ。 ダイヤモンドバックスは直近6試合で5敗の失速に喘ぎ、ワイルドカード4位に転落。その影響もあってブレーブスとメッツは、ダブルヘッダーを前にした明日の結果でプレーオフ進出を決められるかもしれない位置に来ている。もし、明日でプレーオフ進出チームが決まり、ダブルヘッダーで決まるのが単なるシード順に限る場合、ダブルヘッダーはコミッショナーによってキャンセルされる可能性がある。 仮にダブルヘッダーがキャンセルされれば、不公平な立場に立たされるのは、ワイルドカードシリーズから登場する中地区覇者のブリュワーズとワイルドカード1位のパドレスだ。この2球団は162試合を消化してプレーオフに臨むにもかかわらず、シーズンで160試合しか消化しておらず、直近1週間で4試合を消化しただけで休養十分のメッツとブレーブスと対戦する羽目になる。 『ジ・アスレチック』のケン・ローゼンタールはこの状況を懸念している。そもそも26日に予定されていたメッツ対ブレーブス戦は、4月11日に延期された一戦の補填だった。同メディアはその延期のリスケジュールのプロセスについても「利己的」と批判している。また、ローゼンタールによれば、匿名を条件に取材を受けたブリュワーズの球団関係者は「公平ではない。最後の試合を棄権し、162試合目に(ブリュワーズは)投手を使わないようにすべきだ」とこの状況について率直に語っているという。 この状況下では、明日ダイヤモンドバックスとの対戦を控えるパドレスは“負けるが勝ち”となるかもしれない。なぜなら、明日少なくともダイヤモンドバックスが勝ちさえすれば、メッツとブレーブスのダブルヘッダーは確実に開催されるからだ(あるいはダイヤモンドバックスが負けても、メッツも負ければダブルヘッダーは開催される)。