ステルス戦闘機に巨大なドローン母艦、中国最大の航空ショーに登場したハイテク兵器群
ドローンの母艦「ジェタンク」
巨大な母艦用ドローン「ジェタンク」は、国営メディアによると最大積載量6トン、翼副25メートル、最大離陸重量16トン。中国軍が所有する同種の兵器の中では最も大型だ。 ジェットエンジンで稼働する攻撃兼偵察用のこの無人航空機(UAV)は、8カ所のハードポイント(機外兵装ステーション)に装着する形でミサイルや爆弾を運搬する。また種類の異なる小型ドローン(無人機)も複数運搬できる。
ステルス無人船「オルカ」
「オルカ」の名称で知られるJARI-USV-Aは、高速移動するステルス性能付きの無人水上戦闘艇だ。 重量は500トンで、レーダーの高度な遮断を念頭に置いた設計。ユニークな三胴船の構造により、荒れた海上でも安定性が維持できると国営メディアは伝える。 全長は58メートル。最高速度は時速約74キロで、航続距離は約7400キロとなっている。中国軍の公式英語版ニュースサイト、チャイナ・ミリタリー・オンラインによると長期間の任務を再補給無しでこなせるという。 同サイトは19日の記事でオルカを「海上の動く要塞(ようさい)さながら」と形容。視界を越えた標的への攻撃や対空・対ミサイル防衛、対潜水艦攻撃といった任務が可能だと説明した。 オルカにはロケット弾や対艦ミサイル、対空ミサイルを搭載できる他、後部にあるプラットフォームで無人ヘリコプターの離発着も行えるという。
PL15E空対空ミサイル
中国は空対空長距離ミサイル「PL15」の新型も公開した。テールフィンが折りたたみ式となったデザインは、ステルス戦闘機へのよりコンパクトな搭載を可能にする。 航空ショーの会場で、PL15Eはステルス戦闘機J35Aと並ぶ形で展示された。 PL15は中国で最も強力な空対空ミサイルの一つ。英シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)によればその射程は200キロ前後で、最高速度は音速の5倍を上回る。
Su57ステルス戦闘機
航空ショーではロシアの最新鋭戦闘機「Su57」も展示された。同機がロシア国外でお披露目されるのは初めて。 Su57が珠海航空ショーで国外デビューを飾った事実は、中ロの緊密な軍事協力を伝える明確なメッセージとなっている。 国営メディアの環球時報によると、ロシアのショイグ前国防相は年次の中ロ戦略安全保障協議に出席するため訪中。その際航空ショー会場にも立ち寄り、Su57が展示されているのを確認したという。 航空ショーで最初に成立したのは、ロシアによるSu57の海外顧客への輸出契約だった。ロシア国営タス通信が報じた。買い手は明らかにされていない。