極上の玉露の産地・八女で日本茶鑑定士に聞いた、おいしい新茶の淹れ方
店舗に併設した茶寮で、完全予約制で行うこのコースは、その名のとおり、1時間半もの時間をかけて、お茶にまつわる話をしながら、一煎ずつ丁寧に淹れたお茶を、ゆったり味わってもらうというもの。日本茶を知り尽くした木屋さん自身が吟味した選りすぐりの八女茶が、上生菓子やフルーツなど、お茶の旨味を最大限引き出す相性のよい食べ物とあわせて提供されます。
茶葉の特性を踏まえて、お湯、水出し、スパークリングウォーターなど、淹れ方もさまざまで、「お茶ってこういう味がするものだったのか!」と、日本茶の奥深さと楽しみを再認識できること請け合いです。 「忙しい現代ですが、ここでしか味わえない特別な香り、おいしさ、空間を堪能してもらえたらと思っています」(木屋さん)。
自宅で新茶をおいしく淹れるコツ
現在は、製法も保存法も進化したため、一年中どの時期でもおいしい日本茶が手に入るようになりました。とはいえ、やはり新茶は特別。やわらかい新芽の爽やかな香りと旨みはもちろん、古くから不老長寿の縁起物ともされており、この季節ならではの楽しみとして味わいたいものです。 木屋さんによると、新茶のおいしさを最大限引き出す淹れ方は、お湯の温度は低めにし、茶葉を多めに使うことがポイントだそう。温度や時間を測りながらぜひお試しください。 ●新茶の淹れ方 1.沸騰させたお湯を、適温(60~70℃)まで冷まして使う。 2.急須に茶葉を8g程度入れる(大さじ一杯がちょうど8g程度になる)。 3.急須はあまり動かさず、そのまま1分程度待つ。 4.茶葉が少し開いてきたら、湯飲みに注ぐ。最後の一滴まで残らないように注ぎきることで、2煎目以降も美味しく淹れられる。 普段のお茶はペットボトルやティーパックなどで気軽に楽しんでいる方も、新茶でほっと一服してみませんか。
木屋芳友園(きやほうゆうえん)/茶房 星水庵(さぼう せいすいあん)
福岡県八女市星野村4573-4 URL:https://www.horyouen.co.jp/
撮影/延秀隆