北朝鮮情勢緊迫で注目される「金」 購入しやすいコモディティーETFとは?
今年の初めを100とすると、4月13日時点でニューヨーク商品取引所の金価格は年初から10.8%上昇し1285.9ドルになっており、東京商品取引所の金価格は3.7%上昇して4493円となっている。
このところの値上がりは、北朝鮮の弾道ミサイル発射や核開発などに対してトランプ大統領が軍事介入も辞さないという強い姿勢を見せ、投資家の間で地政学的リスクが高まっているためだ。米国債価格も上昇しており、有事の金や債券買いが活発になっている。分散投資の選択肢のひとつとして、検討しておきたい「金」をはじめとした手軽にできる商品投資について、コモディティーインテリジェンスの近藤雅世さんが解説します。
そもそも「金」はどうやって購入するの?
「金」を買うにはいくつかの方法がある。銀座の田中貴金属や徳力、石福の店頭で金の延べ棒を買う方法、香港の金商「周大福」で24金の宝飾品を買う方法、三越など百貨店の宝石売り場で18金のネックレスを買う方法は、金の「現物投資」である。これらの方法の良いところは、いざというときに財産を身に着けて移動することができるという点である。そのかわり、以下に述べる商品先物やETFに比べて金を買う手数料が多くかかっているという点がデメリットとなる。田中貴金属は売買の価格差を約2%取っている。これは手数料であり、香港や中国の銀行で金を売るときは買うときより安めの価格になっている。また、宝飾品に加工するための加工賃がかかっている。さらに、金の現物は保管する手続きが必要であり、銀行や倉庫業者の貸金庫に預ける場合保管料がかかり、自宅で保管すると盗難リスクがある。 純金積み立ての場合でも売買スプレッドがあり、売るときの価格は買うときの価格より約2%安くなっている。純金積み立てでは保管料はかからないが、積み立て先の信用リスクがある。 商品先物取引所で購入する金の先物取引は売買同値であり、売買するときの手数料は、金の代金に比べればわずかなものである。ただ、先物取引は証拠金取引でありかつ標準取引では限月という取引期限があり、金の場合は通常1年先物の取引となる。ただ、金スポット取引というものは限月がないので為替証拠金取引同様いつまで保有しても構わない。ただし預け入れた証拠金以上の評価損失が発生すると証拠金を積み増す必要がある。先物取引は証拠金取引なので、レバレッジがかかっている。売りからでも買いからでも取引をすることができ、少ない資金で大きな取引をすることができるが、価格変動によっては大きな損失が発生することのあるハイリスク、ハイリターンな取引である