北朝鮮情勢緊迫で注目される「金」 購入しやすいコモディティーETFとは?
「金」などの商品取引をより身近にしたETF
金を買う手軽な方法としてETFがある。Exchang Traded Fundの略であり日本語では上場投資信託と言う。その特徴は以下となる。 1. 証券会社に証券口座さえ持っていればいつでも売買することができる。 2. 購入単価が安い。 3. 売買手数料が通常の投資信託と比べて安い。 4. ETFの発行各社によって異なるが、金の裏付けがあるものとないものがある。金現物との交換は大口に限定されていることが多いので、交換できないと思っておいた方が良いだろう。 5. 市場が開いている時間帯はいつでも売買できる。海外のETFの場合だと海外の市場が開いている時間帯となる。 6. 空売りをするには信用取引口座の開設が必要となる。 7. 投資信託なので、売買手数料は安いが、毎年約0.3%前後の信託報酬を払う必要がある。売却時に一括して払うと長期保有していたときのコストはかなり高くなる。 少ない資金で、手軽に証券会社で商品投資を行うことができる点がメリットであるが、信託報酬手数料が毎年かかるため長期投資に向いていない点がデメリットとなる。
「金」以外にもいろいろ 商社なども利用しているETF取引
ロンドンの証券取引所には156種類のコモディティーETFが上場されており、豚肉やコーヒーなどほとんどすべての商品についてETFで取引が可能である。日本でも2008年頃からかなり多くの商品ETFが上場されており、金やプラチナ、原油など多数。証券会社によって扱っている商品が異なる。 実は東京商品取引所の大口取引として野村證券の海外支店からの原油ETFのヘッジ取引がある。野村證券は、売買するETFのヘッジを東京商品取引所で行っている。 海外では債券投資なども実際に債券を買うのではなく、ETFを通じて間接的に行うことが多い。商品価格の変動は株価の変動とは関連がなく、為替とも逆相関になりやすいため、為替取引をしながら商品投資をするということも、リスクの分散となる。 World Gold Council(WGC)のレポートによれば、金現物の裏付けのあるETFは2017年3月末2251.8トン(1トンは約44億円)になった。第1四半期だけで109トンの増加で、ことに欧州で金のETFが売れており、英国が18.3トン増の94.12トン、北米が11.6トン増の1195.9トンだった。年初から欧州での金ETFの購入が盛んになっているという。アジアは変わらずの67.7トンで、アジア地域ではETFよりも金の現物を好むようである。 WGCの投資調査部門長は欧州のETF需要は長く続くと見ており、大統領選を前にしたフランスや、9月に総選挙を控えるドイツにおいて金ETFの購入意欲は強い。欧州での金利が安いことも金を買うインセンティブとなっているという。