ヒズボラ報道官が死亡、イスラエルのベイルート中心部への空爆で
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは17日、モハメド・アフィフ報道官が、イスラエルによる攻撃で殺されたと発表した。アフィフ氏は、レバノンの首都ベイルート中心部にあるシリア系政党バース党レバノン支部にいたところを、攻撃されたという。 レバノンの国営メディアNNAは、イスラエルがこの日、大勢が住むラス・アル・ナバにあるバース党レバノン支部を攻撃したと報じた。 レバノン保健省はこの攻撃で4人が殺され、14人が負傷したと発表したが、犠牲者の名前は明らかにしていない。 アフィフ氏の死が報じられた数時間後、ヒズボラはこれを正式に認めた。 アフィフ氏は、ヒズボラに残された顔の知られている幹部の一人だった。最後に公の場に姿を現したのは、ヒズボラが拠点を置くベイルート南部で、11日に記者会見を開いた時だった。 NNAによると、イスラエルの攻撃によって、バース党レバノン支部の大部分が破壊された。大勢ががれきの下に閉じ込められ、救急隊や民間防衛チームなどが救助に向かった。 バース党は、シリアのバシャール・アル・アサド大統領が率いる政権与党。そのレバノン支部は長年、ヒズボラを支援してきた。支部は、ベイルートの東西を結ぶ道路と、空港と市街地を結ぶ通る道路が交差する、交通量の多い場所にある。 BBCのリナ・シンジャブ中東特派員によると、今回の攻撃により、イスラエルがヒズボラへの攻撃を拡大し、軍事部門の関係者以外も標的にしているのではないかという懸念が生じている。ヒズボラは議会に議員を送り、閣僚も輩出している政党でもある。 シンジャブ特派員は、「事態が沈静化する兆しも、解決策が見つかる兆しもなく、それどころか、状況がさらに激化し、イスラエルはレバノンのヒズボラへの攻撃範囲を拡大している。このことに実に大勢が懸念を強めている」と話す。 17日にはベイルート中心部のマール・エリアス通りで、別の攻撃があった。レバノン保健省によると2人が殺され、13人が負傷した。 BBCはこの空爆について、イスラエル国防軍にコメントを求めている。 イスラエル国防軍は17日、ベイルート南部郊外にあるヒズボラの軍事目標6カ所を空爆したと発表した。 イスラエルとヒズボラの紛争については、アメリカ主導で停戦に向けた取り組みがあらためて始まっているものの、イスラエル軍はこの1週間、ベイルートへの攻撃を激化させている。 イスラエルは9月下旬、イランが支援するヒズボラに対する攻撃を開始した。これまでに最高指導者のハッサン・ナスララ師やその他の最高司令官、上級幹部らをベイルートへの空爆で殺害している。 ヒズボラは、2023年10月7日にパレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃した後、ハマスを支援するとしてイスラエル北部へのロケット攻撃を強化していた。 紛争開始からほぼ1年後、イスラエルは北部から避難している数万人を自宅に戻したいとして、レバノン南部で激しい空爆と地上作戦を開始したほか、ベイルートなどへの空爆も行っている。 レバノン保健省によると、これまでに3400人以上が殺されいる。これには、イスラエルが9月下旬に侵攻開始して以降に殺された、少なくとも2600人が含まれている。 さらに120万人がレバノン国内で避難を余儀なくされているという。 (英語記事 Hezbollah media chief killed in Israeli strike in Beirut)
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